経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年第3四半期でも、海外出荷にけん引されてグローバル出荷は引き続き前年水準を上回っていた。しかし、海外出荷の内容は、日本向けが減少し、立地市場向けにシフトしている。

 日本製造業の日本国内/海外拠点からの出荷を合計したグローバル出荷指数の前年同期水準との比較を説明します。

 

 平成27年第3四半期のグローバル出荷指数の前年同期比はプラス0.7%上昇となっており、(前期比とは異なり)9期連続で前年同期比プラスが続いています。

 
 内訳をみると、海外出荷指数は、前年同期比4.0%上昇と15期連続で前年同期比プラスでした。一方、国内出荷指数は、前年同期比マイナス0.7%低下となり、これで5期連続の低下が続いていることになります。

 ただし、海外出荷指数についても、平成27年第2四半期の前年同期比をみると、前年同期比6.8%上昇でしたので、それと比較すると平成27年第3四半期の前年水準からの伸びは多少見劣りします。

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 そこで、海外出荷の仕向け先別内訳の変化を見てみます。
 海外出荷指数のうち、自国向け出荷(現地法人が立地している国・地域市場への出荷)は前年同期比プラス6.2%上昇と、海外出荷全体の上昇率に比べて高い伸び率を見せています。

 他方、海外生産の日本向け出荷は前年同期比マイナス1.7%低下、第三国向け出荷は前年同期比マイナス0.3%低下と、海外現地法人の「輸出」、つまり、立地国・地域以外への出荷は前年水準を下回っています。
 この日本や第三国向け出荷の前年水準からの低下が、海外出荷全体の前年比を押し下げている要因ということになります。

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 実は、仕向け先別海外出荷指数が前年同期比でマイナスとなることは珍しく、日本向け海外出荷指数でも、平成27年第2四半期以前では、平成25年第2四半期までプラスが続いています。つまり、海外現地法人の日本向け出荷が前年水準を下回るのは10四半期ぶりということになります。

 珍しく前年同期比がマイナスとなった平成25年第1四半期以前をみても、日本向け出荷の前年同期比は、平成21年第4四半期まで遡らないとマイナスにはなりません。いわば、2008年の世界的な経済縮小の「底」から一旦の回復がなされた平成22年以降の6年間のうち、日系製造業の海外生産からの日本向け出荷が前年水準を下回るのは、2四半期だけということになります。


 他方、自国向け出荷指数(現地法人の立地する市場向け出荷)は、(東日本大震災とタイの洪水によって海外生産が大きく低下した後の)平成24年第1四半期以降、前年水準を下回ることなく推移しています。日系製造業の海外展開は、日本や第三国マーケットをターゲットにして開始され、現地法人の立地市場向けにシフトしてきていると言われますが、目下のグローバル出荷の推移を見ると、「海外の仕向け先市場で生産する」という色合いが更に強くなってきているのかも知れません。


 このように、日系海外製造業の立地市場向け出荷が安定的に前年水準を上回っている一方で、日本市場向けの海外生産は、平成27年第3四半期に珍しく前年水準を下回っていました。勿論、1四半期だけの「珍しい」現象だけで即断することは適当ではありませんが、これが「国内回帰」を示すものなのか、今後の推移を良く見ていく必要があると思います。

 

◎スライド資料全体

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成27年Ⅲ期(第3四半期))|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

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