経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

《出荷》国内需要が小幅な動きの中、輸出の存在がクローズアップ

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 本日は、箱根駅伝の往路です。
 毎年盛り上がるこの駅伝、特に往路の山場である第5区は、高低差900mに迫る山登りコース。この急激な上り坂をどう走るかで、毎年手に汗を握ります。この天下の険のような上昇を、今年の鉱工業指数の出荷指数においても見てみたいものです。
 鉱工業出荷の昨年の動きでは、昨年1月に異例なほどの前月比伸び幅(前月比4.1%上昇)をみせました。この前月比上昇幅は、消費増税前の駆け込み需要 があって出荷が急伸した一昨年1月の伸びに匹敵するものでした。しかし、その後は低迷を続け、年後半になってやっと持ち直してきたところです。
 さて、冒頭で触れた箱根駅伝、2区では横浜港の側を走りますが、ここは輸出トン数が名古屋港に次いで国内2位を誇る輸出拠点です。そこで、鉱工業出荷の動きを輸出向けと国内向けに分けて、その影響度合い(前月比寄与)をみてみます。

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資料:「鉱工業出荷内訳表」(経済産業省)から作成

 

 このグラフを見ると、国内向け出荷は、昨年2月から5月まで連続前月比低下、8~10月は3か月連続上昇と、変化の方向がはっきりしていたことが分かります。
 他方で、鉱工業出荷の前月比変動への寄与、特に上昇寄与の面で、輸出向け出荷が大きく影響を与えていることが分かります。昨年の10月までの10か月間 で、上昇寄与となっている月が7回でした。一昨年は1月から12月までの間でも上昇寄与は6回でしたから、特に、昨年の前半から夏場にかけての鉱工業出荷 を下支えてくれていた様相が分かります。ただ、国内向け出荷が昨年後半に向けて上り調子になっていたことが明瞭であることとは対照的に、輸出向け出荷の 月々の上下動が大きくなっています。それもそのはずで、主要な国、地域別にみると、どれも動きがバラバラだからです。日本の二大貿易相手国、米国と中国に しても、一様に好調、あるいは不調というわけではありませんでした。

 

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資料:「鉱工業出荷内訳表」(経済産業省)から作成

 

 一昨年と同様、昨年の後半に国内向け出荷が前月比上昇しはじめるという形で、鉱工業出荷の基調的な動きを作り出しました。
 その中で、輸出向け出荷が、は国内向け出荷と逆方向の前月比を見せた月も(10月までで)4回あり、その意味では、月々の上下動の大きい輸出向け出荷が、鉱工業出荷の動きを「なだらか」にしてくれた面もあったようです。

 

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