経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

《生産》爆買いの恩恵を享受!?化学工業が躍進

 

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 新年、あけましておめでとうございます。平成28年が始まりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、今年がどんな1年になるか、期待と不安に胸が膨らみます。
 とはいえ、明日の自分がどうなるかは、昨日の自分がどうなっているかが重要です。
 そこで昨年の製造業の動向はどうだったか、足下までの鉱工業指数で振り返ってみましょう。

 生産は、平成27年1月に上昇したものの、そこを頂点にその後は低下基調で推移しました。この低下は8月を底に、9月からはようやく上昇に転じたものの11月は再び低下し、年の半分以上は低下となる下落した印象が強い年でした。
 そうした中で、輸送機械工業、そして化学工業は、昨年末の水準よりも生産は上昇しています。

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資料:「鉱工業指数」(経済産業省)から作成

 

 輸送機械工業は自動車が真っ先にイメージされます。そして化学、というとイメージするのはフラスコに入った色とりどりの薬品…ですが、今年の化学工 業が伸びた要因は、化粧水やファンデーションを始めとする化粧品の増産でした。化粧品も年初の落ち込みからは逃れられませんでしたが、5月を底にいち早く 回復し、以降は増産を続け、化学工業の生産を牽引しました。
 化粧品については、いわゆる爆買いと呼ばれる訪日外国人観光客による大量購入が報道されています。そこで訪日外国人観光客の化粧品等の購入額を推計する と、購入者数の増加、購入単価の増加により化粧品等の購入額は増加しています。なるほど、医薬品が含まれていることを割り引く必要はありますが、これなら 爆買いで化粧品が売れた影響、といわれても納得できそうです。

 資料:「訪日外国人消費動向調査」(観光庁)、「訪日外客数の動向」(日本政府観光局(JNTO))から作成

 

 ですが、ちょっと待ってください。
 本当に爆買いのひと言で片付けていいのでしょうか。
 少しだけ生産から離れて、化粧品の出荷をみると、生産だけでは分からなかった、別の一面が浮かび上がります。

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資料:「鉱工業出荷内訳表」(経済産業省)から作成

 

 化粧品出荷を輸出と国内向けに分けると、国内向け以上に輸出が大きく上昇していることがわかります。
 国内向けも上昇していることから、爆買いや消費者の購入活動の活発化の影響があったことは否定しませんが、輸出もしっかりと出ており、国内外での販売が好調であったことが化粧品を、ひいては化学工業の上昇を牽引したことになります。

 

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