経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

向こう2か月連続の生産上昇の計画なるも、通常通りの下方修正であれば、今年の12月の鉱工業生産は今一つが見込まれる。年明け1月は、増産の見込み。

 12月初旬段階における今年12月、そして来年1月の生産計画について調査した製造工業予測調査の結果です。

 今年12月見込みの前月比は0.9%上昇が見込まれており、来年1月予測の前月比は6.0%上昇予測と、向こう2か月連続の上昇予測となっています。

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 11月初旬段階の12月予測と12月初旬段階の12月見込みの変化である予測修正率(上記表の右端)は、マイナス0.3%となっているので、全体としての12月の生産見込みについての下方修正は小さいようです。

 しかし、業種間のばらつきが大きく電子部品・デバイス工業のように12月の生産計画が大きく引き下げられているものもあれば、情報通信機械工業のように引き上げられているものもあります。業種数的には、計画を上昇修正している数と下方修正している数が同じ程度です。

 12月の生産見込みを引き上げているのは情報通信機械工業、「はん用・生産用・業務用機械工業」で、来年1月の生産予測を引き上げているのは、「はん用・生産用・業務用機械工業」と輸送機械工業です。

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 情報通信機械工業については、11月の実現率がマイナス11%と1割以上の低下となっており、他方12月の予測値が5%以上、上方修正されています。これは、受注が後ろ倒しになっている証です。「はん用・生産用・業務用機械工業」でも同様であり、その分12月の生産の上振れについては、割り引いて見た方が良いものと思われます。

 1月の「はん用・生産用・業務用機械工業」についても、同様で、この業種の予測修正率、また予測実現率は大きく下振れすることが多いので、この1月の13.4%上昇という伸び幅が現実となることはないと思います。とはいえ、昨年の1月についても事前予測では15.8%上昇だったものが、実績(IIP本体)では7.4%上昇と、この業種が今年1月の鉱工業生産の大きなけん引役になったことも事実ですので、話半分程度の伸びは期待出来るかと思います。

 輸送機械工業については、新車販売効果が出ていることや輸出は好調なので、輸出分の国内生産を増やす予定との話も伺っていますし、輸送機械工業は実現率や修正率の変動幅が小さいので、12月は小幅な生産低下を見込んでいることもあわせて、来年1月に生産は増えるのであろうと思います。

 なお、電子部品・デバイス工業については、12月は前月比低下、1月は大きく上昇となっていますが、いずれにせよ昨年から今年の実績対比で水準は高くはりません。今年は、春節前の引き合いが少ないという話もあり、やはり電子部品・デバイス工業の外需は弱いものと思われます。電子部品・デバイス工業の11月の国内向け出荷はあまり低下していないようですが、輸出向けが低下しているようです。仕向け先でも、中国向けの低下寄与が大きいようです。

 ちなみに、中国に立地する日本製造業の海外現地法人に景況感を伺うと、来年年明けから売上、設備投資、雇用について悪化する見込みをもたれているという調査結果もありますので、中国向け出荷の先行きについては予断を許さないものと思われます。

 

 さて、業種別ではなくて、用途需要先別分類である財別分類での生産予測の集計結果をみると。鉱工業用生産財の生産見通しが相対的に今ひとつ(2か月合計で3.2%増に留まる)ですが、非耐久消費財や耐久消費財、そして資本財が12月、そして特に来年1月に大きく生産を増加させる計画となっているようです。

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 いずれにせよ、今年(平成27年)1月の鉱工業生産についても、事前の予測では5.8%上昇予測で、実績が4.1%上昇でしたので、来年も是非その再来となっていただきたいものです。

 

鉱工業指数(鉱工業生産・出荷・在庫指数、製造工業生産能力・稼働率指数、製造工業生産予測指数)|製造業の動きからみる日本の景気|経済産業省

 

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