経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

10月は基調的に弱い業種を好調業種がカバーできたが、11月は反動減が発生し、相対的好調業種のカバーが外れて、鉱工業全体が前月比低下となった

 平成27年11月の鉱工業生産の業種別の動向を見てみます。

 

 生産は、15業種中10業種と、3分の2の業種で前月比低下となっており、またウェイトの上位5業種(ウェイトの57%)である「はん用・生産用・業務用機械工業」、化学工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業は軒並み前月比低下となっています。

f:id:keizaikaisekiroom:20151228111935p:plain

  このうち、生産低下寄与の最も大きい「はん用・生産用・業務用機械工業」は、10月に4か月ぶりに前月比上昇となったものの、その勢いは持続できませんでした。生産低下寄与品目も、そのまま10月の生産上昇寄与品目であり、受注型製品が並んでいますので、典型的な反動減となっています。

 この業種の前年同月比は3か月連続低下ですし、その前の8月も前年同月比0.1%プラスに留まっていました。その前の7月は前年水準を下回っており、昨年に比べると生産水準があまり高くない状態が、数ヶ月続いています。予測指数の12月見込み値を見ても、それほど高くないことからして、10月に大きな生産、出荷がなされてしまい、この業種の年内の生産の勢いは強くないようです。

 

 化学工業については、合成ゴム、化粧品といった品目群の生産低下が響いています。合成ゴムについては、10月から急速に在庫水準が悪化(9月在庫の前年同月比12%、10月は24.5%、11月は27.5%に、9月の在庫率は改善していましたが、10月からの在庫率は前月比で悪化)しています。さらに、11月には、合成ゴムの輸出の低下やトラック用タイヤ等の生産が大きく低下している影響が、合成ゴムの生産低下に表れ出たものと思われます。 

 また、化粧品については、ここ数ヶ月生産、出荷の勢いが良かった訳ですが、さすがにここに来て出荷の勢いが弱くなっており、水準は高いものの、方向感が悪くなったということになります。

f:id:keizaikaisekiroom:20151228112536p:plain

 寄与的には、この「はん用・生産用・業務用機械工業」と化学工業の2業種の寄与が、飛び抜けてでhないものの、相対的に大きくなっています。

 

 いずれにせよ、11月の低下業種のうち6業種は前月比反転業種で、4業種が2か月連続生産低下業種です。

 振り返って見ると、10月は鉱工業生産の伸びが大きかった割には、半分の業種は前月比で低下となっていました。つまり、10月は、ベース的に弱い業種の落ち込みを、数の限られた好調業種がカバーした月だったということになります。しかし、11月は10月にカバー側に回っていた業種に反動減が発生し、生産の必ずしも強くない側面が露呈した月だったと言えるかと思います。

 

鉱工業指数(鉱工業生産・出荷・在庫指数、製造工業生産能力・稼働率指数、製造工業生産予測指数)|製造業の動きからみる日本の景気|経済産業省

 

◎データ公表冊子

 

◎図表集

 

英語版図表集

 

◎鉱工業指数 しくみと見方