経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

9、10月の勢いが持続せず、前月比マイナスとなった11月の鉱工業生産、出荷

 平成27年11月の「生産」は,季節調整済指数97.8,前月比▲1.0%低下と3か月ぶりの前月比低下となりました。9月、10月と鉱工業生産は、勢いのある回復を見せましたが、この勢いは続きませんでした。

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 そもそも先月の予測調査では、11月見込みの前月比プラス幅が、0.2%に留まっていましたので、通常の見込みから実績への下方修正からすると、マイナスになる可能性が高かった訳ですが、結果的に、通常の傾向どおりに前月比マイナスとなりました。

 昨年の9月以降の鉱工業生産の推移も、9月、10月と鉱工業生産が回復した後、11月に一旦生産が低下しており、今年も同じようなパターンとなっています。
 鉱工業生産は、2か月連続の1%を超える高めの前月比から一旦、反動減となってしまったようです。

 

 12月の予測調査結果から、11月の見込みと実績のズレをみると、見込みから実績へと▲2%の低下となっています。多くの業種で、見込み値から実績が下方修正されており、その分12月の見込み値が上方修正されるという関係になっていますので、多くの業種で11月生産予定分の納期が、実際には11月に入って、12月以降へと後ズレしているようです。その意味では、「予期せざる」反動減があったということになります。

 

 前年同月比は、5か月ぶり(7月の横ばいを含む)で上昇ですが、昨年の11月の前年同月比低下幅は大きく、昨年後半にひと月だけ落ち込んだ月との比較ですので、このプラスを重視することは適当ではないと思います(一昨年比では、2%ほどの低下)。この観点からは、水準感も今一つということになります。

 

 11月の出荷は、指数値96.3、前月比▲2.5%低下と大きめの低下となりました。先月の鉱工業出荷は大きめの前月比上昇でしたが、その上昇分が剥落し、指数値としては、9月を下回っています。前年同月比も0.6%と3か月ぶりのプラスではありますが、昨年11月の前年同月比等からすると、その水準感は、必ずしも高評価とはなりません。

 

 生産、出荷ともに低下という状況ですが、10、11月平均の生産の前年同期比と、11月の末在庫で在庫循環を見てみると、第3四半期に比べて大きく進捗しているように見えます。
 ただ、目下の在庫循環図が通常通りの反時計回りではない動きを見せているので、前年同期比ではなく、一昨年同期比で在庫循環図を書いてみると、平成27年のほぼ1年間、通常の在庫循環の動きである反時計回りに推移しており、こちらの図での在庫循環の評価も必要かと思います。

 11月までのデータで第4四半期として評価してみると、まだ「在庫積み上がり局面」にあることになります。予測調査の結果からすると、11月は「予期せざる反動減」であったといいましたが、ある程度平常と見なせる一昨年比で見た在庫循環からしても意図せず在庫が積み上がっているとするならば、在庫循環の局面評価については、まだ慎重に見た方が良いのかも知れません。

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鉱工業指数(鉱工業生産・出荷・在庫指数、製造工業生産能力・稼働率指数、製造工業生産予測指数)|製造業の動きからみる日本の景気|経済産業省

 

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◎鉱工業指数 しくみと見方