経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

夏場の停滞から4か月ぶりの上昇となった10月の全産業活動指数

 経済解析室では、鉱工業生産指数、第3次産業活動指数、そして建設業活動指数を加重平均し、日本の産業活動全般の活況度合いを毎月推し量る指標として、「全産業活動指数」を作成・公表しています。

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 平成27年10月の全産業活動指数は、指数値103.3、前月比1.0%と4か月ぶりの上昇となりました。

 10月の全産業活動指数を産業別にみてみると、全体のウェイトの7割を占める第3次産業活動は、卸売業や生活娯楽関連サービス、小売業などこのところ比較的安定的に上昇している業種に加えて、9月に急落した不動産業などの反動増の勢いが加わり、前月比0.9%の上昇と、今年1月以来の大きめの前月比上昇幅となりました。他方、このところ一進一退の動きとなっている鉱工業生産は、今月は半導体製造装置や普通乗用車、鉄道車両などの増加により前月比1.4%と2か月連続の上昇となりました。このほか、建設業活動指数も前月比0.9%と3か月ぶりの上昇です。今月は内訳の3業種がそろって前月比で1.0%前後の上昇となり、全産業をバランス良くけん引した格好です。

 

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 建設業活動について内訳業種の動きをみると、前月9月は公共土木、民間土木の土木関連2業種がともに不調でしたが、今月はこの2業種がそろって反転上昇し、全体を押し上げました。一方、土木関連以外の業種については今月低下となりました。民間非住宅、民間住宅とも、前月までは、それぞれ6か月連続、4か月連続前月比でマイナスがない堅調な動きが続いてきましたが、今月は久々の低下となっています。特に公共土木と並んでウェイトの大きい民間住宅は、6、7月の2%台の前月比上昇から、8、9月は0.3~0.4%に上昇幅が縮小し、10月は▲0.8%の低下と、勢いが落ちてきている印象です。先行性のある住宅着工統計でも、10月の新設住宅着工戸数は8か月ぶりの前年同月比減少、季節調整値でも2か月連続前月比低下とやや低調な結果でした。

 

 話を全産業活動指数に戻しますと、前月比は、今年7月から9月までの3か月間、小幅な低下ないし横ばいと、少し弱い動きが続いていましたが、今月は4か月ぶりの上昇となりました。前月比上昇幅は、内訳の3業種がそろって上昇したことにより前月比1.0%と、今年1月(1.6%)に次ぐ比較的大きな伸び幅ですし、指数値103.3は、消費増税前の駆け込み期である昨年1~3月を除けば、リーマンショック後の最高値となった今年1月の103.5以来の高い水準となりました。今月は、前月比上昇幅、指数値とも比較的良好な結果となりましたが、先行きは、製造工業生産予測調査や住宅着工統計をみても決して強いと評価出来る状況ではありませんので、今後の推移を慎重に見ていきたいと思います。

 

 

最新結果の概要|全産業活動指数|経済産業省

 

◎データ冊子

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/result-2/pdf/IAA_press_201510j.pdf

 

 

◎全産業活動指数の概要(1枚モノのちらし)