経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

能力見直しによって、前月よりも生産能力が増加した10月。素材系業種では、設備削減の動きはまだ止まっていない。

 10月の生産能力指数は95.3で、前月比0.2%上昇と5カ月ぶりに前月比上昇となりました。前年同月比もプラス0.1%上昇とかろうじて前年水準を上回っていました。また、前月9月は生産能力の変化が乏しい月でしたが、10月は、上昇業種が7業種、低下業種が3業種と、動きのある月でした。

 

 上昇業種は、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、電気機械工業などです。ただ、10月の生産能力の上昇については、設備能力やライン編成の見直しによるものであり、設備の量が増えたというお答えはありませんでした。
 他方、低下業種については、繊維工業や非鉄金属工業といった素材系業種において、設備廃棄、生産終了、工場閉鎖といった実際に稼働設備量が減少することによる生産能力の低下というお答えが散見される状態です。

 生産能力指数を機械工業と非機械工業で分けて見ると、非機械工業の生産能力は横ばい推移ですが、機械工業は前月比プラス0.4%上昇と3カ月ぶりに上昇しています。この上昇幅は、今年の1月以来の高さです。とはいえ、その内実は「見直し」によるものであり、物理的に設備が増えているというものでありませんので、多少割り引く必要があります。なかなか機械工業の稼働状況が昨年の同時期のレベルに戻っていませんので、設備を大きく増強するという環境にはないのかも知れません。

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 非機械工業については、窯業・土石製品工業や金属製品工業、パルプ・紙・紙加工品工業の生産能力は上昇となったので、繊維、非鉄金属、鉄鋼といった業種の生産能力は低下していましたが、非機械工業としては、横ばいに留まりした。これで3か月連続横ばいとなっています。

 ただ、10月の生産能力低下業種では、実際に設備廃棄などの結果、生産能力が低下している一方で、生産能力上昇業種では実際の設備が増えているということではありませんでした。

 よって、非機械工業の生産能力が3か月連続で横ばいになっていることをもって、素材系業種における設備廃棄の動きが「止まった」と評価することは避けたいと思います。

  なお、こちらで日米の生産能力指数の動きの比較を検討していますので、お目通しいただけると光栄です。

リーマンショック以降の日米生産能力比較|その他の研究・分析レポート|経済産業省

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◎図表集

 

◎生産能力、稼働率指数の説明資料