経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

10月の稼働率では、化学工業と電子部品・デバイス工業が前月比低下であったが、全体としては2か月連続で稼働状況は改善

 平成27年10月の製造工業稼働率指数は98.7で、前月比1.3%上昇と2か月連続の前月比上昇となりました。10月の鉱工業生産指数が、前月比で1.4%上昇となっていますので、生産の上昇、すなわち稼働率の上昇ということになっています。

 

 稼働率指数を機械工業と非機械工業(除.機械工業)で見ると、機械工業の稼働率が前月比2.2%上昇と2か月連続の上昇で、9月と同様に、全体の上昇幅よりも、特に大きく上昇しています。非機械工業の稼働率は前月比▲0.2%低下と2カ月ぶりの低下です。この非機械工業の稼働率の低下に最も寄与したのは、化学工業です。

 昨年後半から今年の2月までの高い状態からは様変わりしている機械工業の稼働率ですが、9、10月と前月比2%を超える稼働率の改善が続いています。

 水準そのものは、いまだ前年同月比マイナスが今年の1月から10か月連続で続いているので、決して高いとは言えませんが、昨年後半のような機械工業の高い稼働率に戻っていくのか要注目かと思います。

 

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 稼働率は7業種で前月比上昇、低下業種が7業種ということで、鉱工業生産と同様な動きとなっています(鉱工業生産確報では、食料品・たばこ工業を除く15業種中7業種が生産上昇、8業種が生産低下)。

 稼働率上昇業種の中で、特に製造業全体の稼働率を引き上げていたのは、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業でした。鉱工業生産においても、この2業種の生産上昇寄与が大きく、稼働率の面でも、10月はこの2業種がけん引役であったことが確認されました。

 逆に、低下方向に寄与したのが、非機械工業の化学工業と機械工業の電子部品・デバイス工業でした。

 電子部品・デバイス工業は、生産自体は増加しているものの、その勢いは弱く、10月は生産能力が定期的な見直しのために上昇していたこともあり、稼働率は低下しています。電子部品・デバイス工業の稼働率の前年同月低下幅も今年で最も大きい▲6.5%低下でした。昨年の10月の電子部品・デバイス工業の稼働率指数の前年同月比はプラスの11.4%上昇でしたので、一昨年比ではまだプラスとは言えますが、昨年10月の電子部品・デバイス工業の出荷を支えていた輸出向け出荷の勢いが弱いことから懸念材料ではあります。

 

◎データ冊子

 

◎図表集

 

稼働率、生産能力指数の説明資料