経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

電子部品・デバイス工業の輸出低下により、生産財の輸出向け出荷が前月比低下。輸送機械やはん用・生産用・業務用機械工業の国内向け出荷は好調。

 10月の出荷内訳を需要用途別の財別分類で見てみます。

 10月の国内向け出荷を見てみると、財別分類では、前月比で低下した財分類はありませんでした。

 企業の事業活動で部材や燃料として使われる生産財と、企業の投資や家計の消費に用いられる最終需要財(非耐久、耐久、建設、資本の各財の合計)との関係では、最終需要財の寄与の方が大きくなっています。

 8、9月は生産財の国内向け出荷が前月比上昇で、最終需要財の国内向け出荷は8、9月と連続の前月比マイナスでしたので、この2か月ほどは生産財の出荷が国内向け出荷を支えていました。

 しかし、10月では、生産財よりも最終需要財の先月比上昇寄与が2倍近いものとなっています。鉱工業生産に比べて、国内の最終需要が旺盛だった10月ということになります。最終需要財の中では、資本財と耐久消費財の上昇寄与が大きくなっています。

 

 一方、輸出向け出荷を見てみると、9月とは大きく異なり生産財の上昇寄与がほとんどない状態となっています。最終需要財の中では、耐久消費財の寄与が最も大きいのですが、珍しく建設財の輸出上昇への寄与が大きくなっています。

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 建設財の出荷は前月比1.3%上昇ですが、輸出向け出荷は前月比13.8%となっています。建設財出荷に占める輸出向け出荷のウェイトは小さいのですが、その小さいウェイトを考慮にいれても、10月の建設財出荷の前月比上昇は、輸出主導のものでした。建設財の輸出向け出荷の増加に寄与したのは、プラスチック工業のプラスチック製建材でした(プラスチック製建材の輸出向け出荷前月比57.3%上昇)。

 

 10月の輸出向け出荷における生産財の寄与が小さくなった理由は、電子部品・デバイス工業の輸出向け出荷の低下によるものです。10月の電子部品・デバイス工業では、国内向け出荷は前月比8.3%上昇と大きく上昇しており、3か月連続で国内向け出荷は上昇しています。他方、輸出向け出荷は9月に前月比11.9%と大きく上昇しましたが、早くも10月には前月比▲6.8%低下と大きく落ち込むことになりました。

 

 昨年の同じ時期の電子部品・デバイス工業の輸出向け出荷指数では、数ヶ月間指数値が100を超えていましたが、10月の指数値は96.3と100の水準をかなり下回っており、昨年のような電子部品関係の持続的な輸出の高水準は実現せず、はやくも電子部品・デバイス工業の輸出向け出荷は息切れを起こしています。

 とはいえ、国内の鉱工業生産が回復してきているためか、電子部品・デバイス工業の国内向け出荷は8月から3か月連続の前月比上昇となっており、国内向け出荷に支えられて、出荷全体も3か月連続の前月比上昇を維持しています。

 

 10月は、輸送機械工業の国内向け出荷が、前月比5.7%上昇を見せたこと、はん用・生産用・業務用機械工業の国内向け出荷も2か月連続の前月比低下から10月に前月比3.9%上昇に転じたことから、資本財と耐久消費財の国内向け出荷上昇寄与が目立ちました。

 他方、生産財の輸出向け出荷がほぼ横ばいの前月比0.1%上昇となっていますが、これは偏に電子部品・デバイス工業の輸出向け出荷の低下によるものでした。

 この電子部品・デバイス工業の中国向け輸出について検討したスライド資料を作成していますので、こちらもお目通しください。

 

◎出荷内訳表等データ冊子(この中に結果概要ページもあります)

 

◎図表集

 

◎出荷内訳表等の説明資料