経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

卸小売業と生活娯楽関連サービスで維持される堅調さと、不動産業、金融業、情報通信業の反動増が加わって、大きな前月比上昇となった10月の第3次産業活動指数。

 平成27年10月の第3次産業活動指数では、11大分類業種のうち、上昇業種が7業種、低下業種が3業種、「医療、福祉」が横ばいという結果でした。

 

 

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 上昇7業種は、上昇寄与の度合いで、4つのグループに分けられるかと思います。

 第1は、最も上昇寄与の大きい卸売業、第2グループは、不動産業、「金融業、保険業」と情報通信業、第3グループは、生活娯楽関連サービスと小売業、そして第4として上昇寄与の小さい「電力・ガス・熱供給・水道業」です。
 
 卸売業については、10月の指数値が95.6となりました。今年の1月には96.2という非常に高い指数レベルになったものの、その後は低迷していました。

 しかし、10月の指数レベルは漸く平成25年(度)のレベルを若干上回る状態になっています。

 前月比は5か月連続マイナスなし、前年同月比も5か月連続プラスを維持しており、6月以降堅調な推移が続いていると言えるでしょう。

 卸売業を「産業使用者向け卸売業」と「小売業向け卸売業」に分けた指数を計算していますが、これをみると、10月は相対的に「小売業向け卸売業」の勢いが強かったようです。確かに、家電などを取り扱う電気機械器具卸売業や化粧品類を取り扱う医薬品・化粧品等卸売業の寄与が高くなっていました。

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 第2グループの3業種については、9月の低下寄与上位業種であり、そこから反転(反動増)となったという共通点があります。この3業種の指数推移を見ていただくと、情報通信業、不動産業は6月をピークに大きく指数値を下げ、金融業、保険業も8月の高い水準から9月に大きく指数を下げていることが分かります。

 ここから揃って、10月に大きく指数値を上げました。特に、情報通信業、不動産業は、9月においては前年水準を下回る中での前月比低下であったので、9月の結果を説明する際に、この2業種について悲観的な説明をしました。

 しかし、10月は、情報通信業も不動産業も前年同月比でプラスを回復し、これら業種の悲観は杞憂に終わったようです。
 10月の不動産業では、例のデータ流用問題がありましたが、マンショ分譲業も上昇し、戸建住宅売買業も堅調でした。10月の情報通信業では、情報サービス業が4か月ぶりに前月比上昇に反転し、金融を中心とする企業向けのソフトウェア開発やシステム等管理運営受託が上昇に転じました。
 なお、金融業については、10月については、決済取引件数が多く、前月比で上昇となりました。10月は大口取引(平均9億円)というよりも、小口取引(平均50万以下)の伸びが大きかったようです。通常、金融業の動きを引っ張る株式取引等の流通業務は、10月は前月比▲9.3%低下でした。

 

 そして第3グループの生活関連娯楽業と小売業ですが、寄与的にはこの2業種を合計して卸売業と同程度ということになります。この2業種は、卸売業ほどではないですが、比較的堅調な推移を見せている業種であり、共に2か月連続で前月比上昇で、10月はともに前年同月比もプラスとなっている業種です。8月に少し大きめの低下を見せましたが、9月、10月と着実に指数値を上げてきています。生活娯楽関連サービスの10月の指数値は、今年の2番目の高さで、自動車整備業や娯楽業が好調でした。小売業の10月の指数値も、今年の2番目の高さで、自動車小売業やホームセンターなどの「その他の小売業」が好調でした。
 なお、自動車小売業や自動車整備業、自動車レンタル業などの自動車の利用に関連するサービスを指数としてまとめた「自動車関連産業」活動指数を計算しています。10月の指数値は100.7、前月比5.3%と大きく上昇しています。この系列が100を超えるのは昨年3月以来であり、ほぼ1年半ぶりです。乗用車の在庫調整も進んでおり、来年に向けて、自動車関連ビジネスの盛り上がりを期待したいところです。

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 全体的には、ここのところ堅調に推移している卸小売業と生活娯楽関連サービスの勢いに、9月(まで)に低下傾向であった不動産業、金融業、情報通信業の反動増が加わって、10月の第3次産業活動指数は大きな前月比を見せたと言えるでしょう。

 

 

最新結果の概要|第3次産業活動指数|経済産業省

 

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