経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

最近の中国向け出荷の低下は、電子部品類の出荷が低下によるもの。日本の電子部品・デバイス工業は、中国需要に依存しているが、中国の鉱工業生産の伸びは鈍化。

 中国向け出荷の変動の主因は、日本から出荷される生産財事業活動の部材や原料として利用される財)でした。その生産財の中身を数値で確認してみると、電子部品・デバイス工業の電子部品関係でした。そこで、電子部品・デバイス工業の中国向け出荷の動きについて確認してみます。

 

◎ミニ経済分析

中国向け出荷減少の背景には何があるのか? ~現地法人と電子部品を中心に~|その他の研究・分析レポート|経済産業省

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 日本から中国向けに出荷される生産財の変動要因を業種別にみると、電子部品・デバイス工業の影響が大きくなっています。本年第3四半期に中国向け出荷の前期比は大きな低下をみせましたが、その最も大きな要因は電子部品・デバイス工業の出荷の低下でした。

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 中国向けに出荷される電子部品・デバイス工業の内訳業種の別を細かくみてみます。

 中国向けに出荷される電子部品・デバイス工業内訳の約5割のウェイトを占めるのは、「集積回路」ですが、この集積回路の出荷量が、2015年に入って一進一退が続く様相となっています。昨年後半に水準がかなり高くなり、そこから大きく水準が下がっている訳ではありませんが、昨年の上昇の勢いは全くありません。

 同じく約4割を占めるのが「電子部品」で、主にコンデンサや液晶素子といった品目ですが、これも今年の第2、第3四半期と連続して出荷両が低下しています。

 さらに約1割を占めるのが「半導体素子」で、品目としては発光ダイオードなどですが、これも昨年の第4四半期以降低下傾向となっています。

 主要な内訳のどれをみても昨年後半の勢いはなく、出荷量はやはり低下傾向です。

 

 これらの電子部品が用いられている中国の産業活動の数値を確認します。

 中国の鉱工業生産指数の伸びは鈍化傾向にあります。また、中国のエレクトロニクス産業を代表する品目のうち、「携帯電話」、「電子コンピュータ」についてそれぞれの生産量の動向を見てみると、「携帯電話」は2015年3〜9月まで、「電子コンピュータ」は2014年12月以降、累積値ベースで前年同月比マイナスとなっています。

 

 産業連関表(2011年)を用いて、仮に中国向け輸出が(品目構成を変化させずに)マイナス10%減少した場合の日本の生産額に及ぼす影響を試算してみました。

 すると、やはり国内生産額の減少率が最も大きい部門は「電子部品」となります。試算結果によれば、中国向け輸出がマイナス10%減少した場合の「電子部品」に及ぼす影響(国内生産減少額マイナス3,220億円、国内生産減少率 マイナス2.40%)は、米国向け輸出がマイナス10%減少した場合(国内生産減少額 マイナス962億円、国内生産減少率 マイナス0.72%)と比較して大きく出てきます。

 日本の電子部品・デバイス工業産業が、中国で発生する需要に依存していることが、この試算結果からも分かります。

 中国向け出荷減少の背景には、中国の生産活動の鈍化、特に日本の電子部品・デバイス工業に大きな影響を及ぼすエレクトロニクス産業の生産鈍化があることが考えられます。

 

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