経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

水準は高いものの、今年の7-9月期の観光サービスや娯楽サービスは「不発」。し好的個人向けサービスは2四半期連続の前期比低下。

 第3次産業活動指数を対個人向けと対事業所向けに分けて見てみます。

 平成27年第3四半期の第3次産業総合の指数値は103.2、前期比0.1%上昇でした。この内訳である対個人向けサービスの指数値は104.9、前期比0.2%上昇、対事業所サービスの指数値は101.5、前期比0.4%上昇でした。

 

 対個人サービスの7~9月の3か月の指数値はほとんど横ばいでしたが、対事業所サービスの指数値は7月のレベル(指数値:101.1)が低く、8月(指数値:101.7)、9月(指数値:101.8)の指数値は若干持ち直していました。

 第3次産業活動指数に占める「対個人」と「対事業所」の割合はほぼ同じ(対個人のウェイト:4846.2、対事業所のウェイト:5153.8)ですが、若干「対事業所」の方が大きくなっています。このためもあり、第3四半期のサービス全体の前期比上昇には、対事業所サービスの影響(寄与)の方が大きくなっています。

 

 対個人サービスについては、生活必需的な性格の強い「非選択的個人向けサービス」と外部条件の影響を受けやすい「し好的個人向けサービス」に分けた集計を行っています。

 今年の第3四半期のそれぞれの指数をみると、「非選択的個人向けサービス」の指数値は107.9、前期比0.4%上昇と5四半期連続の上昇ですが、「し好的個人向けサービス」は指数値101.3、前期比マイナス0.2%低下となりました。

 

 この「し好的個人向けサービス」を動かした個別系列をみてみます。

  まず、低下寄与ですが、自動車小売業、自動車整備業などの自動車関係、機械器具小売業、そしてプロスポーツやパチンホールといった娯楽関係が低下寄与の上位を占めています。小売関係については、9月、そして特に10月は大分数値として回復してきていますが、今年の夏場は、耐久消費財の小売が今一つだったようです。

 「し好的個人向けサービス」全体は前期比低下でしたが、上昇した個別系列をみると、その他の小売業(ホームセンターなど)や「織物・衣服・身の回り品小売業」、持ち帰り弁当や宅配ピザなどの「飲食サービス業」の寄与が大きくなっています。また、マンショ分譲業も上昇しました。

 

 「し好的個人向けサービス」の大きな分野である「観光関連」と「飲食関連」の指数も計算しています。今年第3四半期の観光関連産業指数は指数値105.2、前期比マイナス0.4%低下、飲食関連産業指数は指数値102.2、前期比マイナス0.4%低下と、共に昨年の第2四半期以来の前期比低下となっています。

 共に前期比低下とはなりましたが、水準的には、観光と飲食で違いが生じています。観光関連産業活動指数は、昨年の第1四半期の指数値が104.9でしたが、今年の第3四半期の指数値はそのレベルを上回っています。今年の第1四半期の指数が104.9で、昨年の駆け込み需要期のレベルを超える水準が3四半期維持されていることになります。

 一方、飲食関連産業活動指数では、平成25年平均の指数値が102.8で、この年の第3四半期のレベルは、まだそのレベルにも到達していません。「飲食店・飲食サービス業」の指数値は平成25、26年のレベルを上回ってきています、飲食料品小売業の指数がなかなか回復してこない状態です。

 

 7~9月の「し好的個人向けサービス」の推移をみると、7月は前月比上昇でしたが、8、9月の2か月連続で前月比低下となっています。7月の「し好的個人向けサービス」は例年以上に盛り上がりましたが、そこから8、9月とさらに盛り上がりませんでした。8月の夏休みや9月のシルバーウィークの観光や娯楽の例年以上の盛り上がりを期待しましたが、結果的には不発だったようです。

 

 

◎ミニ経済分析 

鉱工業指数と第3次産業活動指数からみた平成27年7~9月期の産業活動|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

Youtube 

www.youtube.com

 

◎各種指数のご案内資料