経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業の生産低下見通しのため、11月、12月の向こう2か月の生産予測はあまり強くない結果となった生産予測調査

 製造工業の今月、来月の生産量の見込み、予測について、月初めにお伺いする生産予測調査の11月調査分の結果について、説明します。

 11月見込みの前月比は0.2%上昇が見込まれており、12月予測の前月比はマイナス0.9%低下予測となっています。10月初旬段階の11月予測と11月初旬段階の11月見込みの変化である予測修正率は、マイナス1.2%となっているので、11月は、生産計画が多少引き下げられていたことになります(下のグラフの右端の×印が予測換算値をプロットしたもの)。

 

 11月の生産見込みを引き上げているのは、情報通信機械工業や電気機械工業です。電子部品・デバイス工業も上昇見込みではありますが、この2業種に比べると寄与は半分程度となります。


 情報通信機械工業については、11月に新製品の生産を行っている等の理由で生産が増える見込みとのことです。ただ、情報通信機械工業では見込みと実績のかい離である予測実現率が高めとなっており、企業のIT投資向けのコンピュータ類の納期変更等が生じているようで、11月の生産見込みが、この結果ほど上昇するかどうかについては楽観できないと思います。
 電気機械工業では、民生用機器類というよりは、電気設備系の生産が11月見込みの上昇に寄与しているとのことです。

 

 12月の生産予測を引き下げているのは、「はん用・生産用・業務用機械工業」や輸送機械工業、電子部品・デバイス工業です。
 「はん用・生産用・業務用機械工業」については、在庫調整、中国だけではなくて、東南アジアからの受注についても不透明感があり外需への期待が多少落ちてきており、生産を抑制する計画となっています。
 輸送機械工業については、10月の高水準の生産を徐々に落ち着かせているという感じです。それでも、12月の生産計画は、昨年12月の生産実績よりは高いという結果です。

予測調査結果の2か月分の前月比の合計値の業種別推移をグラフにしてみました。

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 これをみると、製造工業(加重)平均の伸び幅よりも低くなるのが、「はん用・生産用・業務用機械工業」と輸送機械工業です。この2業種の先行き2か月の生産計画の低下が、製造工業全体の低下となって表れています。
 また、突出して高い生産上昇となっているのが、情報通信機械工業ですが、これも11月の伸びによる部分が大きく、どこまで実現するか微妙かと思います。
 

 昨年の鉱工業生産をけん引した電子部品・デバイス工業については、11月はプラス見込みですが、12月の低下予測が大きくなっており、通しでみればマイナスとなります。特に、前年水準との比較では、前回の10月調査では、10月、11月と前年水準以上の生産を計画していましたが、11月調査では、そこが修正され、11月、12月ともに前年水準を下回る生産計画に修正されてきています。
 電子部品・デバイス工業の生産品目の変化などもあわせると、スマホ向けの電子部品の生産・出荷は昨年のようには行かないようです。

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 いずれにせよ、向こう2か月の生産見通しは、あまり強いという評価はできません。

 

鉱工業指数(鉱工業生産・出荷・在庫指数、製造工業生産能力・稼働率指数、製造工業生産予測指数)|製造業の動きからみる日本の景気|経済産業省

 

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