経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

9月は生産財だったが、10月は消費財にけん引された鉱工業生産と出荷(特に、国内向け出荷)

 平成27年10月の生産、出荷の動きを需要先別分類である、「財別分類」でみてみます。


 10月は出荷の勢いの割に、生産の伸びが抑制されていたというのが、鉱工業全体の動向でした。財別分類でみても、出荷については全ての分類で前月比上昇でした。

 

 財別の生産については、ウェイトの半分を占める生産財(前月比▲0.4%低下)、そして非耐久消費財(▲0.1%低下)が前月比低下でした。
 9月の財分類でみた生産・出荷では、生産財、特に、製造業などの中間投入、部品、部材として使われる鉱工業用生産財の上昇寄与が高かったのとは、様変わりです。10月の生産財の出荷は前月比上昇となっており、9月に増産した分も含めて、10月に順調に出荷されていたことになります。この生産財の出荷も、主に国内向け出荷によるものです。


 最終需要財の中では、非耐久消費財の生産が、洗顔クリーム・フォームやクレンジングクリームといった9月に旺盛に生産された化粧品類の生産が低下(とはいえ、化粧品類の出荷は前月比で4.2%上昇)して、前月比微減となりましたが、耐久消費財や投資財の生産は増えています。
 
 9月の結果では、資本財の生産・出荷の低下が目立ちましたが、10月は、資本財の生産・出荷ともに上昇に転じました。特に、製造設備用の資本財が、10月は国内向けに出ていたようです。しかし、「はん用・生産用・業務用機械工業」の説明で言いましたように、9月分の後ろ倒し分がありますので、10月の製造設備用資本財の上昇について割り引く必要があります。

 10月の製造設備用資本財の出荷の指数値は117.9で、9月が103.1、前月比14.4%上昇と大きく伸びてはいますが、そもそも7月117.0、8月114.7なので、9月に一時的に急落していたものが戻ったという評価が適切です。
 また、事務用の資本財は、コンピュータ関連が中心なのですが、出荷は大幅減少の前月比マイナス9.3%低下となっており、企業のIT投資関連財については多少不安要素もあります。

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 他方、消費財の生産については、確かに非耐久消費財は前月比低下ですが、非耐久、耐久の両消費財合計の生産は、前月比上昇ですし、前年水準を上回っています。

 出荷については、消費財全体で、前月比、前年同月比がプラスになっており、方向感、水準感ともに良くなっていました。耐久消費財の9月の生産では、エアコンや軽乗用車が伸びていましたが、10月は普通乗用車やカーナビの生産上昇に支えられました。
 
 9月は企業が日々の事業活動で用いる生産財の生産の増加が目立ちましたが、10月はそこからは微減となりました。

 10月は、最終需要財が前月比上昇で、その中でも消費財は、9月まで93以下の指数値から、10月に95.7へと上昇しています。他方、資本財については、確かに10月に前月比で上昇しているとはいえ、そこには9月に大きく低下した影響からの反動増部分がありますので、割り引く必要があります。

 

 9月の生産財との対比で言えば、10月は消費財にけん引された鉱工業生産、出荷といえるでしょう。

 

鉱工業指数(鉱工業生産・出荷・在庫指数、製造工業生産能力・稼働率指数、製造工業生産予測指数)|製造業の動きからみる日本の景気|経済産業省

 

◎データ冊子

 

◎図表集

 

英語版図表集

 

◎「しくみと見方」

 

◎財別分類の紹介スライド