経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

10月は、鉱工業生産・出荷ともに2か月連続の前月比上昇、輸出向け出荷も悪くないが、国内向け出荷がここ3か月ほど好調

 平成27年10月の「生産」は,季節調整済指数98.8,前月比1.4%上昇と2か月連続の前月比上昇となりました。

 鉱工業生産が2か月連続で前月比上昇となったのは、昨年12月、1月と連続上昇となって以来です。

 先月の9月速報段階で、基調判断を引き上げていますが、2か月連続の上昇ということで、7、8月の2か月連続低下から変化した方向感は、維持されていたようです。  

 

 ただし、前年同月比は▲1.4%低下となっています。

 そもそも昨年も9、10月と2か月連続の前月比上昇でしたが、昨年10月の前年同月比、つまり平成25年10月比は▲0.4%低下です。ということは、多少消費増税前の駆け込み需要向けの生産が始まっていた時期であった平成25年10月との比較とは言え、2%近く生産水準は低いということになります。

 今年の1月の鉱工業生産指数102.1から今年の8月には指数値96.3と、▲5.7%も低下していました。10月の指数値は、その8月の指数値からは2.6%の上昇に留まっていますので、年初来の落ち込みは今のところ払拭できていないという意味で水準感は今一つと言えるでしょう。

 これで前年同月比マイナスは3か月連続であり、7月は前年同月比横ばいでしたので、なかなか前年の生産水準を上回る状態に転換できていません。

 

 10月の出荷は、指数値98.8 前月比2.1%上昇と、2か月連続の前月比上昇であり、上昇幅も2%越えということで大きめの上昇幅と言えると思います。指数値98.8は、今年1月の特例的な高い出荷指数を除くと、今年で初めて98台となり、今年2番目の指数値となりました。

 

 とはいえ、2か月連続で前年同月比もマイナスで、昨年の9月の出荷の急回復の勢いほどには戻っていないところです。

 

 10月の輸出向け出荷は、9月よりも増加していたものと思われます。さらに、国内向け出荷も9月より増加していたようです。

 そうなると、9月に続いて、10月も、国内向け出荷、輸出向け出荷ともに前月比で上昇していたことになります。また、10月の出荷前月比上昇への寄与は、ウェイト差から言って、やはり国内向け出荷の上昇の方が大きいものと思われます。

 国内向け出荷は、3か月連続で調子の良い状態が続いており、8月の前月比0.3%上昇、9月前月比1.1%上昇とその勢いも強くなっているようです。その分、輸出が悪化している訳ではありませんが、出荷を先導する勢いには欠けています。

 

 10月の生産は水準感としては高水準とは言えませんが、9月に上方修正された基調的な方向感が維持されていると言えるかと思います。

 また、出荷は大きめの前月比上昇幅を見せ、国内向け、輸出向け両方の好調により、単月ではありますが、平成25年度の指数値98.7のレベルとなりました。

 この出荷好調のため、生産は増加していても、在庫水準は2か月連続の前月比低下で、季節調整済み指数値で今年の最も低い水準となっています。また、在庫率も2か月連続前月比低下で、前年同月比も久方ぶりにマイナスとなりました。

 

 在庫循環図でみても、7-9月期まで在庫積み上がり局面でしたが、ここに来て10月のデータでは在庫調整局面に漸く到達しました。在庫圧力が軽減されている兆候が見えてきているかと思います。

f:id:keizaikaisekiroom:20151130113042p:plain

 

鉱工業指数(鉱工業生産・出荷・在庫指数、製造工業生産能力・稼働率指数、製造工業生産予測指数)|製造業の動きからみる日本の景気|経済産業省

 

◎データ冊子

 

◎図表集

 

英語版図表集

 

◎「しくみと見方」