経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

マンション分譲業の低下により、9月の個人向けサービスは前月比低下。これで3か月プラスなし。とはいえ、飲食関連、観光関連のサービス指数は底堅い動き。

 第3次産業活動指数の対事業所/対個人のサービスの別について、見ていきます。
 9月の「広義対事業所 サービス」指数は、指数値101.8、前月比0.1%上昇と2か月連続の上昇でした。同じく「広義対個人サービス」指数は、指数値104.8、前月比 ▲0.1%低下と2か月ぶりの低下でした。ただし、2か月ぶりとは言っても、8月の広義対個人サービスは前月比横ばいでしたので、3か月連続でプラスなし という評価の方が適当で、9月の第3次産業全体の低下の主因です。

 対個人サービスについては、必需性の強い、よって余り変動しない非選択的サービスと、必需性の少ない「し好的サービス」に分けた指数の計算もしています。

 9月については、非選択的サービスは、前月比0.2%と2か月連続の上昇、「し好的サービス」は前月比▲1.0%と2か月連続の低下と、好対照な動きとなっています。
 9月の第3次産業を引き下げているのは、対個人の「し好的サービス」ということになります。

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 そこで、この「し好的サービス」を動かした系列を見てみると、マンション分譲業の低下の影響が大きいことが分かります(総合前月比低下に対する「し好的サービス」の低下寄与▲0.21に対し、マンション分譲業の低下寄与が▲0.13で、ほぼ3分の2)。ゲームソフトは9月にヒット作がなかったこと、結婚式場業については8月からの反動減的要素が強くなっています(8月の前月比16.5%、9月▲24.0%。指数としては、7月より10ポイント近く低い)。

 

 一方、個人向けサービスの中で大きな割合いを占める9月の小売業は前月比0.8%と2か月ぶりに上昇していました。

 自動車小売業や機械器具小売業が前月比低下ですが、敬老の日やシルバーウィーク期間中のパーティ向け食材や早くも鍋関連が好調で、ハロウィーン関連の食材が出始めている飲食料品小売業、気候の影響で秋物衣料品が好調だった織物・衣服・身の回り品小売業が前月比上昇となり、小売業全体としてはプラスです。

 ここでも、やはり家計は日常的に利用する非耐久消費財への支出はしているようですが、車や家電製品はまだ今一歩という感じです。

 

 同時に、観光関連産業や飲食関連産業では、それぞれ前月比はプラスとなっており、この面でも個人サービスの需要は底堅い動きをしています。


 まとめると、9月は対個人サービス、特に「し好的サービス」が不調ですが、これは主に、マンション分譲業が大きく低下したことによります。関連して、機械器具小売業(家電関係)、自動車小売業も前月比マイナスでした。しかし、それら以外の個人向けサービスは堅調に推移しています。
 対事業者サービスでは、鉱工業生産指数が上昇していることもあり、企業が原材料等を購入しましたし、関連部材の輸出入も盛んでしたので、卸売業が対事業所サービスを引っ張っていましたが、それを除くと前月比マイナスで、企業の投資的行動に関連するサービスについて多少懸念材料のある9月の動きとなっています。

 

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