経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

9月の第3次産業では、金融取引などの8月からの反動減の影響が大きい。ただ、3か月間前月比低下の続く不動産業や情報サービス業も押し下げ要因。

 平成27年9月の第3次産業活動指数では、11大分類業種のうち、低下業種が5業種、上昇業種が6業種でした。


 低下5業種の中では、「金融業、保険業」の低下寄与が他の低下4業種に比べて大きく、寄与2番目の不動産業のほぼ倍の寄与ということになります。不動産業、情報通信業、「事業者向け関連サービス」の低下寄与はほぼ同様で、「電気・ガス・熱供給・水道業」の低下寄与は他と比べて小さくなっています。

 この低下4業種は、大きく2つに分けることができます。

「金融業、保険業」「事業者向け関連サービス」は、8月は上昇寄与の上位業種でしたが、不動産業、情報通信業は8月も前月比低下業種で、実は共に3か月連続で前月比低下している業種です。
 つまり、9月の低下業種には、8月の活動レベルが高くて、そこから反動減的に低下している業種と、しばらく不調が続いている業種とに分かれています。

 

 寄与の大きさという意味では、株取引高が8月からは低下した金融商品取引業を含む「金融業、保険業」と、やはり8月に大きく伸び、9月に低下した土木・建築サービス業を含む「事業者向け関連サービス」の合計の方が大きいので、9月の前月比低下については、業種的には8月に対する反動減の要素が大きいことにはなります。

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 ただ、不動産業については、不動産賃貸業が非常に安定的に推移している一方で、不動産取引業が9月は前月比▲19.4%低下と2割に近い前月比低下幅となり、2008年1月以降の現行基準で下から3番目に低い水準となっています。

 その中でも特にマンション分譲業は前月比▲27.6%低下で、指数値65.0も現行基準で最も低い値となっています。マンション価格の上昇により需要の勢いが急に鈍っており、販売業者が売り出し時期を先送りしているそうです。7月のマンション分譲業の指数値は102.4ですので、2か月間で3割以上も活動レベルが落ちていることになります。特に、首都圏でのマンション分譲業の指数低下が大きいです(7月111.0、9月60.9で、ほぼ半減)。

 

 また、情報通信業では、特にソフトウェア業が前月比▲4.8%と3か月連続の低下となり、全体を押し下げています。内訳の受注ソフトは昨年の11月以来久方ぶりに前年水準も下回っています(ソフトウェア業は今年の2月以来7か月ぶりの前年同月比低下)。官公庁や金融機関向けの受注ソフトウェア開発案件が終了し、後が続いてこないほか、いわゆる「マイナンバー対応」のシステム開発案件についても期待先行の部分があり、まだ9月段階では実際の開発案件とはなっていなかったようです。

 9月の第3次産業活動指数の動きを少し整理すると、上昇業種については、金属や鉱物といった素材取引が、輸入の増加もあり活発で、また国内の化粧品などの取引も活発で、卸売業が全般的に好調でした。

 他方、低下業種については、その多くは8月が良かった業種における反動減ですが、個人のマンション需要が落ち込んでいる不動産取引業、企業向けや官公庁向けの受注ソフトウェア開発案件が一巡しているソフトウェア業などの影響で、不動産業や情報通信業が3か月連続で前月比低下となっていることが気になるところです。

 

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