経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

供給面と需要面で少しグローバル化に差が見えている、電気機械工業のグローバル出荷指数の動き

 電気機械工業のグローバル出荷指数を年度単位で確認してみました。

 

 平成26年度の電気機械工業の国内拠点と海外拠点からの出荷の合計であるグローバル出荷指数は98.3で、基準年となる平成22年の総量から2%近く減少していました。この全体の出荷のうち、国内出荷指数は91.0、海外出荷指数は118.1で、国内拠点からの出荷は基準年からすると1割近く低下している一方で、海外拠点からの出荷は2割近く上昇していることになります。

f:id:keizaikaisekiroom:20151110105244p:plain

f:id:keizaikaisekiroom:20151110105405p:plain

 平成26年度の電気機械工業のグローバル出荷指数の前年度比は2.2%上昇ですが、このうち国内出荷指数は前年度比1.4%上昇で、海外出荷指数は前年度比3.5%上昇でした。

 グローバル出荷全体の前年度比上昇に対する寄与をみると、国内出荷が1.4%ポイント、海外出荷が1.1%で、平成26年度のグローバル出荷増には、国内外ともにプラスの寄与ですが、国内出荷の寄与の方が少し多いということになっています。

 平成26年度は電気事業者の国内設備投資が旺盛であったり、日本国内企業の情報化投資が盛んで法人向けのコンピュータの生産が順調だったりといった事象が影響しているものと思われます。

 

 さて、グローバル出荷指数では、
・日系製造業の出荷のうち、海外拠点から出荷されたものの比率である出荷海外比率
・日本の輸入に占める日系製造業の海外拠点から日本向けに出荷されたものの比率である逆輸入比率
・グローバル出荷のうち、海外市場に向けに出荷されたものの比率
といった比率を計算することができます。
そこで、電気機械工業についてのこれらの比率について、10年前、5年前、平成26年度を比較してみます。

 

 まず、出荷海外比率です。平成26年度の出荷海外比率は32.3%で、ほぼ3分の1が海外拠点からの出荷ということになります。10年前の平成16年では23.5%、5年前の平成21年では27.1%でした。

 この5年で5.2%ポイントも海外拠点からの出荷割合が増加しており、輸送機械工業に比べるとまだ海外出荷の比率は低いですが、着実に生産/出荷のグローバル化が進んでいる様子が伺えます。

 単純な比率の比較にどれほど意味があるのかとは思いますが、出荷海外比率の単純比較だけで言えば、電気機械工業は、丁度10年前の輸送機械工業(平成16年度:32.1%、平成26年度:46.5%)とほぼ同じになっています。

f:id:keizaikaisekiroom:20151110105719p:plain

 次に、海外市場比率です。平成26年度の海外市場比率は41.3%で、まだ半分には届きませんが、4割を超えています。10年前の平成16年度では40.2%、5年前の平成21年度では38.5%でした。この10年間で余り海外市場比率は増加しておらず、一時的には低下していました(平成19年度に大きく海外市場比率が低下)。

 日本の電気機械工業では、海外生産/出荷という供給拠点の面でのグローバル化が着実に進んでいるようですが、需要先市場の面では、日本の国内市場への依存が過半を超えており、需要面でのグローバル化は相対的に進んでいないようです。

f:id:keizaikaisekiroom:20151110105824p:plain

 最後に、逆輸入比率です。平成26年度の逆輸入比率は49.4%で、過去最高となっています。電気工業の輸入品の半分近くが、実は日系企業の現地法人が日本向けに出荷したもの(白物、黒物といった家電製品など)であったことになります。

 10年前の平成16年度では37.6%、5年前の平成21年度では45.0%でした。10年前と5年前の差が7.4%ポイント、5年前と昨年度の差が4.4%ポイントなので、その勢いは弱まっているようようです。

 例えば、薄型レレビの国内生産指数は平成27年9月速報値で8.1(平成22年平均=100)ですので、海外生産化が進むだけ進んでしまった結果なのかもしれません(薄型テレビの生産台数は5万6000台ほどですが、海外生産分を含めた国内出荷は28万8000台です)。

 

◎ミニ経済分析

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成26年度)|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライドシェア