経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

グローバル化の進む輸送機械、電気機械。はん用・生産用・業務用機械工業のグローバル出荷の動きは、特徴的な動き。

 日本製造業の海外出荷活動の業種別推移を年度単位で見ていこうと思います。
 平成26年度の海外出荷指数は124.4で、10年前である平成16年度の81.6から5割増となっています。そして、この海外出荷の内訳を業種別に見てみると、輸送機械工業の占める割合が48.6%と最も多く、それに次ぐのが電気機械工業(情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業の合計)で、その占める割合は19.6%でした。それらのほか、はん用・生産用・業務用機械工業(7.2%)、化学工業(9.0%)の占める割合が高くなっています。
 海外出荷の5割近くが輸送機械工業、2割近くが電気機械工業で、化学工業とはん用・生産用・業務用機械工業が1割未満という構成になります。

f:id:keizaikaisekiroom:20151108202318p:plain

 10年前である平成16年度の海外出荷指数の業種別割合は、輸送機械工業41.7%、電気機械工業19.3%、はん用・生産用・業務用機械工業9.2%、化学工業9.0%でした。
 輸送機械工業は、この10年間で日系現地法人の活動における存在感を拡大させています。一方、はん用・生産用・業務用機械工業は、海外現地法人の活動の割合を若干低下させています。化学工業や電気機械工業の占める割合は、あまり変化していません。
 海外出荷指数の前年度比に対する業種別の寄与度を見ても、やはり輸送機械工業の影響度合いが大きいことが分かります。平成26年度の海外出荷指数の前年度比は6.7%上昇ですが、そのうち輸送機械工業の寄与が3.96%であり、平成26年度の海外出荷の伸びの半分以上は、輸送機械工業の伸びによるものであったことになります。

 

日本の製造企業の出荷全体のうち、海外現地法人からの出荷が占める割合である出荷海外比率を業種別に見てみると、平成26年度では、輸送機械工業が46.5%となっています。グローバル出荷指数のデータがある平成13年度から一貫して輸送機械工業の出荷海外比率が業種別でみて最も高い状態が続いています。それに次ぐのが、海外出荷に占める割合が高い電気機械工業で、平成26年度の海外出荷比率は32.3%でした。

 
 併せて、日本の製造企業の出荷全体のうち、日本以外の海外市場向けになされた出荷の割合である海外市場比率を業種別に見てみると、やはり平成26年度で輸送機械工業の海外市場比率が58.8%となっています。日本の輸送機械工業の出荷先の6割は海外市場ということになります。これに次ぐのが、電機械工業の41.3%です。

 
 出荷海外比率、つまり供給拠点の地理的分布と、海外市場比率、つまり需要先の地理的分布の関係を見ると、業種的には、「輸送機械工業」「電気機械工業、化学工業」、「はん用・生産用・業務用機械工業」の3つに分類できるように見えます。
 供給拠点も需要先でも海外への依存度が最も高いのが輸送機械工業で、両比率が上昇傾向を持っている製造業の数値に近い「電気機械工業、化学工業」、そして平成22年以降量比率ともに主要業種の中で低い状態となっている「はん用・生産用・業務用機械工業」という関係です。特に、他の3業種は、出荷海外比率、海外市場比率ともに一貫して上昇させているのですが、はん用・生産用・業務用機械工業は、両比率が頭打ち、低下してきており、対照的な動きを見せています。

 このような業種別の特徴を念頭に、最後に、日本への輸入に占める日系現地法人の日本向け出荷の割合である逆輸入比率を見てみます。平成26年度の業種別の逆輸入比率を見ても、輸送機械工業(64.1%)、電気機械工業(49.4%)といったグローバル化の進んだ2業種の比率が高くなっています。化学工業については、10%前後の横ばいが続いています。

 
そして、特徴的なのが、はん用・生産用・業務用機械工業です。この業種の逆輸入比率は、平成17年度の逆輸入比率60%前後から下がり続け、平成26年度では32.9%と半分近くにまで下がっています。主要業種の中で、逆輸入比率が下がっているのは、はん用・生産用・業務用機械工業だけです。はん用・生産用・業務用機械工業の日本市場に対する総供給に占める国産品の比率は、平成24年の84.8%を底に緩やかに上昇傾向に転じており、この業種においては国産品回帰が見られているところです。

f:id:keizaikaisekiroom:20151108203029p:plain

 

◎ミニ経済分析

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成26年度)|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライドシェア