経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成26年度の出荷海外比率は28.7%で過去最高へ

 グローバル出荷指数を用いて、次のような比率を計算することができます。
・日系製造業の出荷のうち、海外拠点から出荷されたものの比率である出荷海外比率
・日本の輸入に占める日系製造業の海外拠点から日本向けに出荷されたものの比率である逆輸入比率
・グローバル出荷のうち、海外市場に向けに出荷されたものの比率
 年度単位のグローバル出荷指数を用いて、これらの比率の10年前、5年前、平成26年度を比較してみます。

 まず、製造業海外出荷比率の推移です。
 10年前である平成16年度の出荷海外比率は、19.5%とかろうじて2割を下回っていました。つまり、日本の製造企業の国内拠点と海外拠点からの出荷の合計のうち、海外拠点からの出荷は5分の1程度でした。5年前の平成21年、2009年、つまりリーマンショックの翌年で日本の産業活動が最も悪かった時期には、出荷海外比率は23.3%となりました。産業活動全体が縮小するなかで、相対的に海外出荷の割合は高まり、全体の出荷の約4分の1を占めるようになりました。

f:id:keizaikaisekiroom:20151108091600p:plain

 そして、平成26年度になると、出荷海外比率は28.7%と、約3割に達しています。この間、日本国内の製造業の生産能力指数は、54か月間前年同月比低下を続けていました。平成27年度に入って、さすがに生産能力指数も下げ止まっていますが。長期的に低落傾向が続いていましたので、国内の生産規模は小さくなっています。


 さらにこの期間は、日本の製造業が海外拠点への投資を活発に行っていた時期でもありますので、全体の出荷にしめる海外出荷の割合が上昇していったのは、当然といえば当然です。

 

 海外出荷比率の上昇の要因分解をしてみると、平成20年、平成21年を除くと、この10年間、海外出荷が増加することによって、出荷海外比率が上昇していました。さらに興味深いのは、10年前の平成16年度からリーマンショック前までの4年間は、出荷海外比率の上昇に国内出荷要因はマイナス寄与、つまり国内出荷は増加していましたが、その後の平成22年からの5年間のうち3年間は、出荷海外比率に対しプラス寄与、つまり国内出荷は減少していたことになります。平成20年、21年の世界的な景気後退をはさんで、国内出荷と海外出荷の関係が変化している様子がうかがえます。

 
 次に、逆輸入比率です。
 平成16年度の逆輸入比率は、20.8%でした。日本の輸入のうち、約5分の1は、日系現地法人の海外拠点から日本に出荷されたものだったということになります。5年後の平成21年度では、23.8%でした。平成26年度の逆輸入比率は、25.5%となりました。単純な3時点比較では、平成16年度→平成21年度の変換幅3%ポイントに対し、平成21年度→平成26年度の変化幅が1.7%ポイントに「縮小」しています。日本の輸入に占める日系現地法人からの出荷の割合は時間とともに上昇してはいますが、その勢いは低下しているようです。

f:id:keizaikaisekiroom:20151108091518p:plain

 最後に、海外市場比率です。
 平成16年度の海外市場比率は、31.1%でした。日系製造業の国内外の拠点からの出荷全体のうち、3分の1近くが日本以外の市場に向けた出荷されたものでした。5年後の平成21年度では、35.1%でした。そして、平成26年度の海外市場比率は、40.5%となりました。昨年度の日系製造業のビジネスの4割以上が、海外市場向けとなっています。必ずしも国内の財需要が大きく伸びていない中でも、日本企業がこの所、過去最高益を上げているのは、この海外市場向けの産業活動に支えられているためと言えるでしょう。

f:id:keizaikaisekiroom:20151108091713p:plain

 

◎ミニ経済分析

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成26年度)|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライドシェア