経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

7-9月期の鉱工業生産は前期比マイナスではあるが、9月の鉱工業生産の基調については良い方向に判断を変更しています。

 9月の鉱工業については、生産、出荷は前月比で3か月ぶりに上昇、在庫、在庫率も2か月ぶりに低下となりました。8月とは逆に、9月は「想定外」に生産、出荷が上昇しました。

 9月の輸出数量は8月に比べれば多少良くなっているものと思われます(簡易季節調整値では前月比0.4%上昇、数量原指数の前月比差も0.4%なので、輸出数量は微増。出荷の大部分は国内出荷の寄与)。
 生産財、消費財全般の生産、出荷は、軽自動車や化粧品、橋りょうなど内需型の財を中心に生産、出荷が回復していますが、設備投資に向かう資本財は生産、出荷ともにマイナスです。

 このような状況を踏まえ、9月の鉱工業生産の基調については「一進一退」と、基調判断を引き上げたいと思います。8月に基調判断を引き下げ、このままずるずると鉱工業生産が停滞していく可能性を先月の説明の際には指摘しましたが、この懸念は1カ月で払拭されました。
 この「一進一退」という基調判断は、今年の5月~7月の判断と同じです。また、基調判断を上方修正するのは、昨年の12月以来、9か月ぶりとなります。
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 7-9月期の鉱工業生産は、前期比▲1.3%低下と2期連続の低下となりました。主要業種の中では、化学工業で、やはり化粧品類の生産が好調で前期比4.2%上昇となっておりますが、「はん用・生産用・業務用機械工業」、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業といった主要な業種では、生産が前期比低下となりました。
 「はん用・生産用・業務用機械工業」では、マシニングセンタといった工作機械やショベル系掘削機械といった土木建設機械の生産が低下しています。電子部品・デバイス工業では、スマホ関連の部品が低下の主因です。輸送機械では、生産の低下には、普通乗用車や普通トラックが低下となっていました。

 7-9月期の前年同期比も▲0.4%低下で、7-9月期の生産水準は、昨年の夏場と同様に低くなっていました。 

  

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 7-9月期の在庫循環図を見ると、今年に入っての「逆走」が続いています。この在庫循環図を見ると、在庫循環はあまり進んでいないように見えます。しかし、前年同期比の比較対象となる昨年の状況が消費増税という要因によって攪乱されているものと思われます。そこで、今年分について一昨年同期比で在庫循環図を描いてみると、在庫循環は一定の進捗を見せたことが分かります。

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 <参考:経済指標ひと言解説>

「逆走している」在庫循環図ですが、一昨年比で見てみると|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

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