経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

金融業や土木・建築サービスといった事業所関連サービスが「けん引役」。宿泊業や娯楽業などの生活関連娯楽サービスが悪かった8月の第3次産業活動。

 平成27年8月の第3次産業活動指数では、11大分類業種のうち、上昇業種が4業種、低下業種が7業種でした。第3次産業活動指数総合が前月比上昇している割には、上昇業種が少ないという印象です。
 

 

 上昇4業種の中では、「金融業、保険業」「事業者向け関連サービス業」の上昇寄与が同程度に大きく、それ以外の2業種はほぼ横ばいという状況です。
 7月の第3次産業活動指数をけん引した卸売業はほぼ横ばい、小売業は前月比マイナスということで、この2分類の寄与は目立ちません。

 「金融業、保険業」については、株の取引高である流通業務の影響が大きく、この流通業務の指数値257.9は平成22年基準(2008年以降)で最高値となっています。株価は下落方向ではありますが、相場が大きく動き、取引高も膨らんだようです。
 事業者向け関連サービスも上昇寄与が大きかったのですが、広告業や技術サービスといった分野ですが、これらの分野は7月少し目立つ形で落ち込んでおり、その反動で前月比上昇という面が強いようです。

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 一方、低下業種の中では、生活娯楽関連サービスの全体に対する低下寄与が目立ちます。先ほど対事業所サービスは前月比プラスで、対個人サービスが前月比マイナスであることをご紹介していますが、この典型的な個人、家計向けのサービスである生活娯楽関連サービスの低下が影響していることになります。

 

 この生活娯楽関連サービスの中では、8月の宿泊業の低下の影響が大きくなっています。8月はお盆の時期であり、宿泊業は稼ぎ時のはずですが、お話をお伺いすると、今年については9月のいわゆるシルバーウィークの連休に旅行需要が分散し、例年ほどの際だって高い稼働状況にはなっていないようです。

 また、外国からのお客様の影響もあるのか、既に7月の宿泊業の指数値が高い水準になっていたこともあり、相対的に8月の指数値が悪くなっているという面が相当程度あります。

 さらに、娯楽業においても「遊園地、テーマパーク」が8月後半の天候不順の影響などの影響で例年に比べると調子が良くなかったようです。パチンコホールについては、11月の規制変更を見据えて例年行われる新台入れ替えがなくて、悪かったようです。

 いずれにせよ、先々の国内旅行の状況について言えば、(旅行取扱高を指数化している)旅行業の国内旅行は、8月前月比1.0%上昇となっていますので、9月以降の旅行・観光需要について増加の兆候があると思います。8月と9月も均したものでの評価も必要かと思います。

 8月の低下業種の中で、生活娯楽関連サービスに次いで影響が大きかったのは、情報通信業でした。その中でも、情報サービス業の低下寄与が大きくなっています。

 製造工業予測調査でも、情報通信機械工業は8月生産の事前見込みでは2桁増産でしたが、実績はそこから14%以上低下しており、法人の情報システム発注が先送りとなっている様子が伺えました。ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業の両分野とも前年同月比はプラスで水準は低くはないのですが、季節調整済指数の推移を見ると、法人需要にけん引された情報サービス業も2カ月連続の前月比低下となり、多少一服感が出てきているようにも見受けられます。

 

◎データ冊子

 

 

◎3次指数図表集

 

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