経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

輸出不振で8月の鉱工業生産は「弱含み」。内需である家計消費向けの財出荷は前月比堅調(サービス消費も同様)

 8月速報の鉱工業指数の状況をまとめてみます。

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 8月の鉱工業については、生産、出荷は前月比で2カ月連続低下、在庫、在庫率も上昇となりました。「想定外」に出荷が悪く、在庫も上昇しています。8月は、輸出が悪く、全体の生産や出荷を押し下げました。

 

 他方、家計向けの消費財の生産、出荷は前月比プラス(耐久消費財の出荷は全体では、前月比マイナスですが、おそらく国内向け出荷はプラス、ないし横ばい)となっており、輸出向け出荷を中心に企業向けの財の勢いが悪くなっていました。

 この8月の生産実績結果及び9月予測調査の9月生産見込み結果を使って試算してみると、7-9月期の鉱工業生産の前期比は2期連続のマイナスとなる公算が大きいようです。
 3カ月移動平均でみても低下傾向が明確になってきています。なお、下記のグラフは、右端が上がっていますが、これは10月予測の前月比4.4%上昇という少し極端なデータが影響を及ぼしているためであって、このまま実現するということはあまり想定できないと思います。

 

 このような状況を踏まえ、8月の鉱工業生産の基調については「弱含み」と、基調判断を引き下げたいと思います。鉱工業生産の基調判断については、5月分において下方に引き下げましたが、さらにそこからの引き下げということになります。
 基調判断の表現としては、昨年の6月から8月にかけて「弱含み」としていましたが、そのレベルに引き下げられることになります。約1年ぶりの低い基調判断となります。

 

 なお、先にも書いたように家計向けの消費財の生産、出荷は悪くありませんし、家計消費の半分以上を占めるサービス消費向けの第3次産業活動指数である対個人サービスでは、6月、7月と2カ月連続の前月比上昇となっています。

 

 特に、卸小売を除いた第3次産業活動指数の推移を見ると、純粋サービスビジネスの活動レベルは、既にリーマンショック前の水準を超えています。つまり、モノは買わないが、必要なサービス(役務)への支出はなされているということです。

 

 観光関連や飲食関連といったサービスの動きも堅調です。

 

 また、建設業も堅調であることから、7月鉱工業生産は前月比マイナスでしたが、建設とサービスまでを加重平均した全産業活動指数では、前月比プラスを維持しています。このような、鉱工業以外の堅調さが、鉱工業に反映されることを期待したいところです。

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