経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

生産、出荷ともに2か月連続低下の主因は、「はん用・生産用・業務用機械工業」。輸送機械工業や電子部品・デバイス工業では、出荷は前月比プラス。

    8月の鉱工業生産の業種別の動向を見てみます。
 8月の生産では、15業種のうち、低下業種10業種、上昇業種5業種となっています(これは、7月の速報時点と同じ)。同じく出荷についても、低下業種10業種、上昇業種5業種でした。
 生産低下業種のうち8業種が2カ月連続の低下、電子部品・デバイス工業と電気機械工業は4カ月連続の生産前月比低下となっています。
 出荷については、2カ月連続の低下は4業種(電気、情報通信、化学、その他)で、8月時点で3カ月以上連続して低下している業種はありません。

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 8月の鉱工業生産と鉱工業出荷の前月比の動きを生み出しているのは、「はん用・生産用・業務用機械工業」です。生産においても出荷においても、その前月比低下寄与において、2位業種の倍以上の低下寄与を見せています。
 この「はん用・生産用・業務用機械工業」の生産、出荷の具体的な中身を見ていくと、ショベル系掘削機械については、規制変更の経過措置が終了することから、「作りだめ」から「取り崩し」のモードに変更ということによる生産低下で、想定通りです。

 生産における専用機-これは金属工作機械の一部-やマシニングセンタ等の加工機械や出荷における一般用蒸気タービン、水管ボイラについては、7月の生産/出荷の水準が高いことからの反動減という面もありますが、輸出の低下も響いています。中国向けも悪いようですが、北米向けも今一つのようです。

 電気機械工業における開閉制御装置なども同様です。ただし、エアコンについては、出荷は8月出ているのですが、在庫水準が高いので、在庫取り崩しで対応し、生産は抑制しています。

 

 そして、輸送機械工業です。輸送機械工業は、生産は前月比低下ですが、出荷は前月比上昇となっています。
 生産を下押ししているのは普通乗用車です。普通乗用車は、出荷も前月比マイナスで、やはり米国向けの輸出の低下が響いています(国内向け出荷も季節調整をかけると前月比マイナス)。

 他方、出荷において軽乗用車が上昇寄与品目となっていますが、軽乗用車と小型乗用車は、生産はともにプラスです(小型乗用車の出荷は前月比横ばい)。乗用車全体の出荷は、普通乗用車が悪いので、前月比マイナスですが、車種ごとに差が出てきているようです。
 また、生産低下寄与品目である駆動伝導・操縦装置部品を含む自動車部品の出荷は前月比▲0.1%低下で、どうも貿易統計でみると自動車部品の輸出も調子が悪いようで、北米向けも中国向けも悪いようです。
 ただ、輸送機械工業全体としては国内向け出荷が出ているので、在庫水準は2カ月連続の低下であり、前年同月比も▲12.4%低下と大きく削減され、在庫調整は進んでいるようです。

 

 同じように、生産と出荷に差があるのが、電子部品・デバイス工業です。
 電子部品・デバイス工業も生産は前月比低下ですが、出荷は前月比上昇となりました。ただし、在庫は増えてしまっているので、在庫積み上がり局面となっています。昨年は8月、9月の生産、出荷が大きく上昇しましたが、今年の8月段階では生産水準は低いままでした。

 

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◎データ冊子

 

◎図表集

 

◎「鉱工業指数のしくみと見方」

 

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