経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

世界経済の情勢変化によって「想定外」に前月比マイナスとなった8月速報の鉱工業生産

 平成27年8月の「生産」は,季節調整済指数97.0,前月比▲0.5%低下と2か月連続の前月比低下となりました。


 8月初旬実施の生産予測調査では、8月生産見込みは、前月比プラス2.8%上昇でした。

 しかいしながら、8月の生産実績はそこから大きく低下し、見込みが大きく外れました。

 見込みから実績が1%以上低下することは良くあるのですが、こと8月については3%以上の低下となっており、正直驚いています。

 生産予測調査の結果を確認すると、8月初旬段階の8月生産の見込み値と、8月を締めてみての生産実績の乖離幅である「実現率」(下の表の右から2番目の列)が、マイナス4.2%低下と非常に大きな下方修正となっています。

 予測「実現率」が、これほど大きく下方修正されるのは、2011年の東日本大震災の発生した3月、4月以来のことです。これほど大きな見込み違いが発生することはほとんどありません。

f:id:keizaikaisekiroom:20150930185716p:plain 中国・天津での爆発事故は8月12日に発生しています。この事故の直接的な影響というよりは、その後の上海株式の低迷の世界への波及などもあって、中国経済の減速感イメージが強くなっていることは確かです。この8月に10日以降の経済情勢の変化は、8月初旬に実施する予測調査には反映されておりません。
 このような経済情勢の変化もあり、8月の貿易統計でみる輸出は低下しており、数量ベースでも7月とは異なり大きく低下しているものと思われます。仕向け先としては、中国だけではなくて、北米向け、欧州向けも悪くなっているようです。
 また、設備関係の財を中心に納期の先送りや発注のキャンセルが内外ともにそれなりに発生しているため、8月当初の強気の生産予測が実績には反映されませんでした。

 8月の見込みが大きく外れたのは、「はん用・生産用・業務用機械工業」、輸送機械工業、情報通信機械工業です。納期の延期問題や輸出向け出荷の見込みが外れた影響のようです。
 納期変更等輸出の「想定外」の低下によって、今回のような結果になったと整理されます。

 

◎データ冊子

 

◎図表集

 

◎「鉱工業指数のしくみと見方」

 

 

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