経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

消費増税は設備投資に影響を与えたか?

 昨年4月に実施された消費増税の影響について、設備投資の面ではどのような動きがみられたのでしょうか。

 以下のグラフは、鉱工業出荷内訳表(平成22年=100、季節調整済)から、「資本財(除.輸送機械)・国内向け出荷」の増税前後の推移(前期比)を用途別に確認したものです。

 増税前の平成26年1~3月期では、「非製造業用」及び「製造設備用」で出荷が顕著に上昇していましたが、増税後の平成26年4~6月期では、その出荷上昇分を打ち消すほどの低下はみられません。一方、「事務・その他用」をみると、増税前の駆け込みは少なかったものの、増税後の出荷低下幅は大きくなっています。

 

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 増税前後の推移をより詳しくみるために、以下のグラフでは「資本財(除.輸送機械)・国内向け出荷」の指数を、増税前の平成25年平均を100とした指数に置き換え、増税後の推移を25年平均比を用いて確認してみました。

 これによると、増税前の駆け込みに比べて反動が小さかった「製造設備用」と「非製造業用」の出荷が、増税前(平成25年)より大きく伸びていることが確認でき、増税後も製造業、非製造業を問わず設備投資が堅調に推移していることがわかります。

 特に伸びが顕著な「製造設備用」の主な品目としては、半導体製造装置や金属工作機械などが挙げられます。これらを製造する「生産用機械工業」の生産能力指数をみても、平成27年4~6月期では108.1で、平成25年平均の104.2から上昇しています。

 一方、「事務・その他用」については、増税前の駆け込みはみられたものの、その後、出荷水準が低下しています。主な品目は、パソコンなどの電子計算機が挙げられますが、これらは基本ソフトのサポート終了に伴う機種変更のために、平成25年の出荷水準がすでに高かったという面があります。この要因による「反動減」が多少長引いていましたが、平成27年4~6月期には、平成25年並の出荷水準に戻っています。   

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 このようにみてみますと、消費増税は家計消費(小売販売)には未だに払拭しきれない大きな影響を及ぼしましたが、企業の設備投資向け(資本財・国内向け出荷)には、相対的に小さな影響しか及ぼさなかったようです。

 

◎「経済指標ひと言解説」

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