経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

エアコン在庫が高水準~今後の動向に注目~

 7月後半から8月中旬にかけては記録的な猛暑となり、昨年と比較してエアコンの販売は好調だったようです。

 しかしながら、鉱工業指数で「セパレート形エアコン」(以下、「エアコン」という。)の生産・出荷・在庫指数の推移を見てみると、今年の7月時点でも、エアコンの在庫水準は非常に高い状態にあることがわかります。エアコンは、2014年4月の消費税率引上げ以降、生産と出荷が伸び悩む中で在庫が大幅に上昇していきました。在庫は、今年の1月から5月にかけては低下傾向で推移したもの、6月、7月に再び上昇し、高水準が続いています。

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 一般に在庫については、

 当月末在庫台数=当月初在庫台数(前月末在庫台数)+当月生産台数

           +当月海外等からの受入台数-当月出荷台数

という式が成り立ちます。

 

 鉱工業指数作成の元データとなる生産動態統計調査の実数データを用いて、エアコンの在庫の伸び率(前年同月比)の要因分解を行ってみると、2014年4月の消費税率引上げ以降、エアコンの出荷の落ち込みが続いたことから(※グラフは逆符号であることに注意)、海外等からの受入を抑制し、国内生産を調整しても、在庫が大きく積み上がっていったことがわかります。「作りすぎ」「受入れすぎ」要因というよりは、「出荷されない」要因のために在庫が積み上がっているということになります。

 

 また、興味深いのは、今年の第2四半期に入って以降、国内生産の前年同月比が4月と6月に若干のプラスになっている一方で、海外生産品等の受入の方は、6月を除いて、前年同月水準からの抑制が続いているということです。海外等からの受入を減らして、在庫を圧縮しようという動きが見えてきます。

 

 在庫の増加幅は今年に入って低下傾向にあり、在庫の調整が続いています。7月後半から8月中旬にかけての猛暑で、どの程度エアコンの在庫の積み上がりが解消されたのか、エアコンは実需見合いの生産に戻るのか、8月以降の数字を注視していきたいと思います。

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◎「経済指標ひと言解説」

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◎鉱工業指数7月分 データ冊子

 

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