経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

稼働率が低下していても生産先行き強気で能力増強している機械工業と、設備を廃棄した結果、ここに来て稼働状況が良くなっている化学工業を中心とした非機械工業

 7月の生産能力指数は95.3で、前月比▲0.1%低下と2か月連続の低下でした。

 生産能力指数は、昨年の8月以降、今年の2月まで前月比マイナスのない月が続いていましたが、3月以降は5月にプラスがありましたが、5月を除いた4回の結果は前月比▲0.1%低下です。


 この生産能力の低下は、非機械工業(=製造工業(除.機械工業))の生産能力の低下によるものです。

 7月も前月比▲0.3%低下と2カ月連続の低下で、横ばいを含めれば平成26年3月以降、前月比でプラスになったことはありません(17か月間プラスなし)。前年同月比も低下が続いています。
 

 一方、機械工業の生産能力指数は、前月比0.1%上昇です。2カ月ぶりの上昇とはいえ、6月は横ばいでしたので、マイナスなしが続いています。

 今年の3月の前月比▲0.1%低下がありますが、これを除けば、昨年8月以降プラス基調が続いています。前年同月比も今年の1月から上昇が続いており、その上昇幅も大きくなっています。
 ただし、機械工業の生産能力増強が、非機械工業の生産能力削減(設備の廃棄)を補えなくなっており、製造工業全体では、生産能力は低落傾向となっています。

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 7月の生産能力指数の業種別の動きをみると、5業種で低下、2業種で上昇、7業種が横ばいとなっています。

 生産能力低下業種の中で、低下寄与が大きいのは化学工業でした。廃業や設備廃棄のための能力低下ということで、実際に設備の整理がなされており、7月だけで前月比▲0.8%低下となっています。化学工業における設備廃棄は続いています。

 一方、生産能力上業種は、「はん用・生産用・業務用機械工業」と電子部品・デバイス工業といった、いわばこの1年ほどの上昇寄与宇業種の常連が並んでいます。ただ、7月の能力上昇も生産体制の見直しによるものとのお答えが多く、設備を新規に増設するというお答えは多くはありません。

 

 稼働率の面では、生産能力を削減している非機械工業で水準感も方向感も良好です。

 一方で、機械工業は今年の2月以降、とても一時的とは言えない半年ほどの期間、稼働率は下がり気味で推移しています。しかし、生産能力の面では、その勢いは昨年後半から比べると落ち着いてはいても、機械工業では、生産能力を増強する動きは変わっていません。

 設備廃棄を進めた結果、稼働状況が良くなっている非機械工業と、生産体制の増強を続けているため、生産が落ちてきて、数字上の稼働状況が悪くなっている機械工業とが対比されます。

 一見不思議な感じもしますが、8月の生産予測調査では、機械工業のうち、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、情報通信機械工業の電気電子系の3業種は8、9月ならしても生産上昇見込みですし、9月は低下予測ですが「はん用・生産用・業務用機械工業」と輸送機械工業の8月生産見込みはプラスです。

 機械工業における能力強化が続いている背景には、このような生産の先行きについての「強気」がある訳です。

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◎結果の概要 

鉱工業指数(鉱工業生産・出荷・在庫指数、製造工業生産能力・稼働率指数、製造工業生産予測指数)|製造業の動きからみる日本の景気|経済産業省

 

◎「生産能力・稼働率って何ですか?」

(前提知識なしで生産能力・稼働率指数について紹介している資料です)

 

◎データ冊子

 

◎ポイント資料

 

◎図表集