経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

今年はじめて2か月連続で前月比上昇となった第3次産業活動指数総合。「足踏み」から「横ばい」へ基調判断は若干上方修正。

 平成27年7月の第3次産業活動指数は、前月比0.2%上昇と2か月連続の前月比上昇となりました。第3次産業活動総合が、2か月連続で前月比上昇するのは、今年ではじめてです。

 昨年の増税後直後の落ち込みから、昨年後半は順調に回復していた第3次産業活動指数は、今年の1月に高い水準となりました。しかしその後、勢いが弱まってしまし、年度明け3カ月では足踏み感、停滞感が色濃くなっていました。確かに7月の鉱工業生産は前月比マイナスとなっています。

 しかしながら、7月の最終需要財の出荷は良好で、輸出向け出荷も6、7月で5月の大幅な落ち込みを回復しています。

 この結果、7月は、対事業所サービス、その中でも企業間取引をつかさどる卸売業が好調でした。企業の投資的行動の前提となる技術サービスが7月が落ち込んでいるところではありますが、全体として対事業所サービスが全体を押し上げています。
 勿論、個人向けサービスもこの3カ月堅調に推移しています。


 こういった状況を踏まえまして、基調的には第3次産業活動は、「横ばい傾向」で推移していると判断し、6月までの「足踏みが見られる」から、基調判断を上昇させたいと思います。

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  今回の公表より、リーマンショックの発生した平成20年、2008年を開始期間とする平成22年基準の指数に移行しました。2008年の景気後退は、歴史的にみて非常に大きな景気後退で、その後の様々な経済構造に影響を与えています。

 今回の基準改定により、その大きなショックによって変化した産業構造を反映した指数にすることができました。


 新ためて、この新基準の指数で、短期の方向感ではなくて、長期比較の上での指数の水準感を見てみると、リーマンショックの発生した平成20年9月を含む第3四半期の新基準の指数値が103.1で、今年7月の第3次産業活動指数は103.3で、ほぼ同じ水準です。この103前後という水準が、ここ数ヶ月続いています。

 とするならば、昨年の増税前駆け込み期のような一時的現象としてではなく、やっとリーマンショック前の水準への回帰というものが見えてきていると評しても良いように思います。

 
 また、今回の新基準から計算し始めた卸小売業を除いた第3次産業活動指数では、前月比こそ0.1%上昇と、第3次産業全体の前月比0.2%上昇よりも小幅上昇とはなりましたが、7月の指数値は106.1と、平成20年のピーク値をかなり上回った状態となっています。2008年の景気後退も昨年の消費増税も、商流サービスに大きな影響を与えており、卸小売を除くとサービスビジネス全般は、既に第14景気循環のピークを越えています。産業構造がモノからサービスへ移っていることが、ここからも分かります。

 こういうことが確認できるのも、新基準指数を計算した結果です。

 

◎結果の概要

最新結果の概要|第3次産業活動指数|経済産業省

 

◎データ公表冊子

 

◎ポイント資料

 

◎図表集

 

◎基準改定の概要

 

 

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