経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

機械工業の生産能力は上昇局面にあるが、非機械工業=機械工業を除いた製造業では、化学工業の生産能力が大きく削減されている。

 製造工業生産能力指数は、輸送機械工業や電気機械工業といった「機械工業」と、その機械工業を除いた「除.機械工業」、いわば非機械工業に分けた集計をしています。

 長期の低迷状態から変化している製造工業全体の生産能力指数ですが、その内訳である機械工業と除.機械工業=非機械工業とでその動きに大きな違いが出てきています。

 

 それぞれの生産能力指数は、昨年の消費増税の時期まで、「機械工業」と「除.機械工業」は同じように低下傾向で推移し続けていました。

 しかし、 「機械工業」は平成26年8月以降、明らかに上昇に転じています。同時に、「除.機械工業」では昨年9月以降、生産能力低下の傾きが大きくなっているようにも見えます。

 

  機械工業と非機械工業とで、月次の生産能力指数の動きにも顕著な違いがありますが、指数の前年水準と比較する前年同月比でも大きな違いが生じています。機械工業では、今年の1月から生産能力指数の前年同月比がプラスに転じ、その上昇幅も大きくなっています。一方、非機械工業の生産能力指数の前年同月比は、まだまだマイナスの状態が続いています。

f:id:keizaikaisekiroom:20150912064714p:plain

 

 生産能力に関する調査では、生産能力の見直し、設備の新設・増強・休止・廃棄、廃業があった場合、事業所からは当月または翌月に報告が上がってきます。例えば、月の途中での設備の改造や見直し等の変更の場合は当月に報告が上がってきますが、新規設備については、試運転による稼働は対象としていないので、稼働した月から一か月分の能力報告をいただきます。また、廃棄、廃業については、稼働を完全に中止した翌月の報告としていただきます。ということで、平成26年4月と27年4月の値は、25年度と26年度における調整を全て反映した数字となるため、ここではこの両者を比較して、生産応力の変動寄与をみてみます。

 

 平成25年度末と平成26年度末の生産能力を比較すると、0.2%の上昇となっています。26年度の前半はまだ生産能力が低下する局面でしたので、1年間の伸びの結果の数字だけみると、それほどの大きな伸びにとは思われないかもしれません。

 とはいえ、非機械工業については、▲0.3%ポイントを超える低下寄与となっており、全体の低下幅0.2%を超える低下寄与になっていましたが、機械工業が非機械工業の低下寄与を大きく補って、全体を押し上げていました(機械工業の上昇寄与は、0.5%ポイント程度)。

 

 機械工業の業種別内訳をみると、平成26年4月→27年4月の「機械工業」の生産能力指数の伸び(+0.8%)には、「はん用・生産用・業務用機械工業」、「電気機械工業」、「輸送機械工業」がプラスに寄与していました。一方、「情報通信機械工業」、「電子部品・デバイス工業」はマイナスに寄与しています。

f:id:keizaikaisekiroom:20150912065922p:plain

 

 同様に、「除.機械工業」の業種別内訳をみると、平成26年4月→27年4月の「除.機械工業」の生産能力指数の伸び(▲0.8%)には、「化学工業」、「鉄鋼業」、「繊維工業」などがマイナスに寄与しています。一方、「窯業・土石製品工業」、「パルプ・紙・紙加工品業」、「金属製品工業」などはプラスに寄与していました。

f:id:keizaikaisekiroom:20150912070234p:plain

 「除.機械工業」の業種内訳寄与では、化学工業の生産能力が劇的に大きく低下していることも分かります。この化学工業の生産能力の低下には、国内のプラントを設備廃棄して、稼働状況を改善しようという政策措置が影響しています。その意味で、単純な景気循環的な動きではないことに注意は必要です。

 このように長期の低迷局面から変化しつつある日本国内の生産能力ですが、その内訳の機械工業と非機械工業(特に化学工業)とで、その動きに大きな違いが生じています。

 

 なお、より長期(1978年~)の生産能力指数の動きの分析については、このような資料もございます。

 

 

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

◎6月の生産能力指数

鉱工業指数(鉱工業生産・出荷・在庫指数、製造工業生産能力・稼働率指数、製造工業生産予測指数)|製造業の動きからみる日本の景気|経済産業省

 (7月分については、9月14日公表)

 

 ◎ミニ経済分析

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini030j.pdf

 

◎スライドシェア

 

◎6月分データ冊子

 

◎6月分ポイント資料

 

◎6月分図表集