経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

7月の鉱工業指数の動きを特徴付ける電子部品・デバイス工業と輸送機械工業のそれぞれの指数をグラフにしてみました。

 平成27年7月の鉱工業指数の動きについて、特徴的な2業種、電子部品・デバイス工業と輸送機械工業の指数の動きについて見てみます。

 電子部品・デバイス工業は、生産、出荷ともに3か月連続の低下で、7月は在庫は生産が抑制されたため前月比低下ですが、在庫率は上昇していますので、出荷との見合いでは、在庫の水準は高い状態です。

f:id:keizaikaisekiroom:20150908152315p:plain

※予測部分は、7月の生産指数に生産予測調査から計算された前月比で単純に伸ばしているもの。

 

 輸出を見ても、6月まで2か月連続で低下しており、7月の輸出金額も好調とは言えません。稼働状況をみても、6月こそ、電子部品・デバイス工業の稼働率は上昇しましたが、今年の2月以降の稼働率は低下傾向です。
 一方、生産能力指数は、5月、6月と2か月連続で前月比上昇しています(5月は前年同月比横ばい、6月は前年同月比上昇)ので、生産キャパシティーを整理するという様相では全くありません。生産予測調査でも、8月の生産は前月比3.0%上昇で、多少7月時点での予測よりは落ちているとは言え、生産は増えるという見込みですし、9月については更に上昇幅が大きくなるという予測になっています。
 生産能力を減らしていないこととあわせて、やはり電子部品・デバイス工業の先行き見通しは強気のようです。

f:id:keizaikaisekiroom:20150908152427p:plain


 
 輸送機械工業については、生産は7月前月比低下していますが、出荷は2か月連続の上昇となりました。輸送機械工業の中心となる乗用車等の完成車の生産は、前月比プラスですし、出荷も良好です。7月の生産低下の中心は自動車部品でした。
7月には、軽乗用車の在庫は増えているのですが、普通乗用車や小型乗用車の在庫が低下したので、輸送機械工業の7月の在庫は前月比▲6.2%低下、前年同月比も14か月ぶりに▲5.2%低下となりました。輸送機械工業の在庫の天井が見えてきたようです。在庫率も7月に大きく改善し、前月比▲9.2%と大きく低下しました。
 とはいえ、予測調査では、輸送機械工業の8月前月比こそ上昇しますが、9月には大きく生産を減らす計画となっていますので、引き続き生産調整(在庫調整)ということかと思えます。

f:id:keizaikaisekiroom:20150908152446p:plain

 ※予測部分は、7月の生産指数に生産予測調査から計算された前月比で単純に伸ばしているもの。

 

 7月の生産低下寄与の大きい電子部品・デバイス工業と輸送機械工業を比較してみると、足元では出荷の調子は良くないが、先行きについて強気の電子部品・デバイス工業と、完成車の需要は、6、7月と2か月ほど良くなっており、生産調整と出荷=需要の回復によって、在庫が下がりはじめたが、引き続き在庫調整が見込まれる輸送機械工業という対比です。
 電子部品・デバイス工業は、7月不調の生産財の中心で、輸送機械工業の完成車は最終需要財の中心の一つ(自動車部品は、生産財なので、これが7月の生産の足を引っ張っている)ですので、7月の生産財出荷不調、最終需要財出荷好調のそれぞれの象徴と言えるかもしれません。

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 

◎データ公表冊子

 

◎ポイント資料

 

◎図表集

 

◎図表集英語版