経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

第3次産業活動指数の基準年を2005年から2010年に変更します。

 第3次産業活動指数は、これまで2005年の毎月の値の平均値を100とし、その100の値に対して、どれ位変化したのかということを数値化したものです。ただし、現在は2015年であり、10年前の値を基準にしていると、数値としての意味がとりにくくなったり、正確性が落ちたりしてきます。そこで、5年ごとに基準とする年次を改定することとしています。

 9月14日の2015年7月の公表から、2010年基準に変更することとしていますが、それに先だって2008~2014年までの既公表済みの数値を2010年基準に変更したデータの事前提供を開始いたしました。 

 平成22年基準改定の事前公表について|第3次産業活動指数|経済産業省

 

 そこで、2005年基準の指数と2010年基準の指数の比較をしてみました。

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 細かく見れば、2つの指数の動きには差がありますが、大きく見れば基準改定後の指数グラフが上に平行移動したような絵姿になります。

 2005年はリーマンショックの前で、今から見れば第3次産業の活動は活発でした。他方、2010年はリーマンショックによって大きく落ち込んだ産業活動が少し回復したという程度の時期であり、第3次産業の活動レベルは高くありませんでした。

その余り高くない状態を100とするので、基準改定後の指数は、全体的に数値が上昇したことになります(これをリセット効果といいます)。

 

 次に各指数の前月比の推移を見てみます。

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※2014年4月の前月比はマイナスが大きすぎるため、グラフに書き切れていない。

 

 足元3年分の前月比をみると、前月比変化幅は少し動きますが、概ね方向は同じ向きになります。ただ、基準年を変更する際には、その時期の産業構造を反映して、集計する場合の各産業分類の重み付けを変化させることとなっています。つまり、成長産業の重みは増やし、低下産業の重みは減らします。こういった変更する結果、ごく一部の月では、前月比の方向が逆になるケースもあります。

 過去3年分のデータでみると、各年1回ずつ、前月比の方向が逆転しているケースがございます。

 

 今回の基準改定では、業種分類を大きく見直したほか、業種分類だけではなくて、「消費向け/投資向け」や「設備型/人手型」といった産業の性質に合わせた分析用指数を充実しています。

 また、卸売業、小売業といった財取引に付帯するサービスを除外した、役務提供を目的とする系列のみからなる指数も計算することとし、いわば純粋なサービス指数とでも言うことのできる指数も作成・公表するようにしております。

 卸小売を除外した系列と含む系列とで、指数の動きに大分差があることを見て取ることができます。

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 是非、ご活用いただけると幸いです。

 

◎基準改定の概要

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/pdf/b2010_ITA_ovvj.pdf