経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

8、9月は電気・電子系の3業種の生産が上向く見込みで、機械系2業種と鉄鋼業の見込みが弱含んでいる。

 先行き2カ月の生産見込みを調査する8月の製造工業生産予測調査の結果ですが、8月見込みの前月比は、2.8%上昇が見込まれており、9月予測の前月比は▲1.7%低下予測となっています。

 前回調査の8月予測からは、8月の前月比伸び率がほとんど変化していないので、強気の予測が継続しているように見えますが、多少注意が必要です。

 8月の見込みについては、7月時点よりも8月初旬時点で▲1.0%の低下修正がなされています。つまり、8月の生産計画自体は下がっているのですが、前月比の前提となる7月の生産実績が7月初旬の計画値よりも下方修正されたために、結果として前月比伸び率が変わりませんでした。つまり、8月の生産計画は、7月段階からは多少低下しているということです(96.7→95.7)。

 

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 8月の生産見込みについては、情報通信機械工業、「はん用・生産用・業務用機械工業」輸送機械工業などが生産増加を見込んでいることにより、全体がプラスということになっています。

 情報通信機械工業については、7月に一旦生産低下しましたが、その中に納期後ろ倒し分が含まれていたようですし、引き続き企業のIT投資需要は底堅いということで、8月以降も生産が増える予想となっています。

 「はん用・生産用・業務用機械工業」については、7月分生産の納期後ろ倒しもあったようですが、8月の生産計画の下方修正も起きています。差し引きで8月の前月比伸び率は維持されていますが、それ程強気ということではありません。9月は、大分生産が落ち込むという予測であり、仮にこのままの指数値で行くと、9月は前年同月の生産実績を下回るということになります。ここには、オフロード規制の経過期間中の「作りだめ」が8月に終わることの影響もあるようです。

  輸送機械工業は、8月の生産見込みの前月比が前回調査よりも高くなっています。8月の予測修正率が大きなプラス修正であること、さらに9月の生産が前月比低下予測となっていることからして、9月分の生産が何らかの理由で、8月に前倒しされているというようにも見えますが、実際にはどうなりますでしょうか。

 

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 8、9月の変化を通して見てみると、電気・電子3業種の生産が大きく増加し、機械系の「はん用・生産用・業務用機械工業」と輸送機械工業、そして鉄鋼業の生産が低下します。

 輸送機械工業と鉄鋼業は3者は在庫水準が高くなっており、生産調整をしている業種です。「はん用・生産用・業務用機械工業」にも在庫があることは確かですが、それは建設関連機器の規制変更に伴う「作りだめ」のためで、その規制変更の経過措置期間が8月に終了するため、生産が8月から低下する見込みになっています。

 電気・電子系の3業種の第3四半期の生産の伸びには期待したいところです。

 いずれにせよ、製造工業全体の動きとしては、先行き一進一退という結果です。

 

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