経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2か月連続の前月比低下とはいえ、水準は安定している6月の建設業活動指数

 平成27年6月の建設業活動指数は、指数値84.7、前月比▲0.5%低下と、2か月連続の低下となりました。昨年11月から4か月連続の前月比低下、3、4月に前月比上昇となった後の2か月連続の低下ということで、少し不安定な動きのようにも見えます。  

 ただ、季節調整済指数自体の推移をみると、昨年11月から今年3月までの83台から、4、5、6月と85台から84台後半へとレベルアップしており、3月の前月比1.3%、4月の2.8%という比較的大きめの上昇幅で到達した水準を、2か月連続の前月比低下とはいえ、この3か月ほどは維持しているという見方もできます。

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 建設業活動指数の前年同月比をみると、6月は1.3%上昇となっており、3か月連続で前年水準を上回っています。

 昨年5月から今年の3月まで11か月間連続して前年水準を下回ってしましたので、6月の前年同月比1.3%上昇も、水準が落ちきった状態からの反転上昇の鳥羽口といった感じです。

 前年割れが始まる前までの昨年の1-3月期を含む平成25年度の原指数値86.4に比べると、まだ水準は低いですが、方向感は良くなってきている状況かと思います。

 

 建設業活動指数の内訳をみると、「公共」の建設活動指数は6月前月比▲1.9%低下と4か月ぶりの低下となりました。公共土木工事の低下によって、6月は前月比低下となっています。

 民間部門の建設業活動指数をみると、民間企業発注の土木工事である「民間・土木」が大きく前月比▲5.5%低下となりましたが、他の部門は前月比上昇となりました。

 特に、住宅建築活動指数は、5月の大きめの低下から、6月には前月比2.0%上昇と回復し、建設業活動指数全体の6月の上昇のけん引役となっていました。

 企業の建設投資である「民間・非住宅」部門は前月比1.2%上昇となっており、これで今年の2月以降の5か月間、前月比マイナスがない月が続いています。

 ほぼウェイトが揃う公共建築土木、企業建設(非住宅・土木)、住宅建築に大きく分けて、建設業全体の活動の前月からの変動への影響度合い(寄与)の推移を見てみると、今年に入って住宅建築が建設業全体の伸びを支えていることが分かります。5月に住宅建築の寄与は一旦大きなマイナスとなりましたが、6月には戻してきました。

 企業建設については、今年の4月に大きく建設業全体を大きく上昇させた後、2か月連続でマイナス寄与とはなっていますが、4月以降の昨年水準と比べた水準の高さを維持したまま、変動寄与が小さくなってきている感じです。

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 大きくまとめれば、昨年まで恒常的に前月比下押しの原因となっていた住宅建築が、年明け後の半年間は、逆に下支え要因となっていました。企業建設は、今年の1月と4月に大きな上昇寄与を見せたので水準自体は高水準ですが、下押し要因となる月の方が多くなっています。

 なお年度をまたいだ公共建築土木の動きは、この3か月だけ見ると、発注が早かったのか、1か月ほど寄与のパターンが昨年より早いようです。

 

◎データ公表冊子