経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

6月の第3次産業活動の基調判断は、「足踏みの動きが見られる」で、5月と同じです。

 平成27年6月の第3次産業活動指数は、指数値99.0、前月比0.3%上昇と4か月ぶりの上昇となりました。ただし、3か月連続で前月比マイナスが続いた後の上昇としては些か力強さに欠け、上昇幅としては小幅と言わざるを得ません。

 

 というのも、この3か月連続の前月比低下で2月の指数値から5月の指数値まで▲1.6%の低下となっており、6月分の0.3%上昇があっても、近時のピークである今年2月からはまだ1%以上も低い水準であるからです。平成25年平均の指数値が100ですので、2月の水準自体も非常に高いというほどのものではなく、6月の水準はそこから更に低いということですので、6月の4か月ぶりの上昇をあまり高く評価することはできないものと思います。

 6月の第3次産業活動指数の動きには、「足踏み」が見られ、5月の基調判断を変更する必要はないものと判断しています。 

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 第3次産業活動を対事業所向けと対個人向けに分けて集計した系列がありまして、こちらでみてみると、「広義対事業所サービス」が2か月ぶりに前月比0.3%上昇している一方で、「広義対個人サービス」は前月比0.0%の横ばいとなりました。

 

 この「広義対個人サービス」は、さらに「し好的個人向けサービス」と「非選択的個人向けサービス」に分けることが出来ます。この分類でみると、生活必需的性格の強い「非選択的個人向けサービス」は、6月に前月比0.9%上昇ですが、所得環境や天候の影響を受けやすい「し好的個人サービス」は前月比▲1.5%低下と大きく低下しました。f:id:keizaikaisekiroom:20150815202101p:plain

 そもそも今年の5月のゴールデンウィークの日並びが良く、「し好的個人向けサービス」が好調でしたので、6月の前月比は上昇しにくい面がありました。と同時に、6月については、天候不順(梅雨)で外食や観光・娯楽、ショッピングへの出足が鈍くなり、指数を押し下げました。

 6月のし好的個人向けサービスの低下への寄与が大きかったのは、各種の小売業とスポーツ観戦関係の系列です。また、近時比較的良好に推移している観光関連産業活動指数も6月は前月比▲0.5%低下と3か月ぶりの低下となりました。

 お天気の関係とはいえ、6月に「し好的個人向けサービス」が低下してしまったのは残念です。7月については、天候は回復しているようでしたし、百貨店の7月の売上げも良かったという報道がなされていますので、7月に「し好的個人向けサービス」が回復していたかどうか、期待して見ていきたいと思います。

 

 6月の第3次産業活動指数の動きを業種的に見ると、前月比上昇業種が6業種、低下業種7業種で、上昇寄与では1位の「情報通信業」、特に情報サービス業の上昇寄与が大きくなっています。鉱工業生産においても情報通信機械工業が企業のIT投資の活発化をうけ、企業向けのコンピュータの生産が好調でした。企業からのソフトウェア開発の発注も多く、情報サービス業は好調でした。

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 他方、低下寄与の面では、「卸売業、小売業」、特にやはり小売業の低下寄与が大きくなっています。家電量販店に代表される機械器具小売業、ホームセンターなどに代表される「その他の小売業」の低下が影響していました。

 また、「飲食店、飲食サービス業」の低下寄与も大きくなっており、先に説明したように、業種的に見ても、天候の悪影響を受けた個人向けのサービス関連業種が全体を押し下げました。

 

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