経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

産業の8割をカバーする統合指数の6月は2か月ぶりの前月比プラスだが、4-6月期は4四半期ぶりの前期比マイナス

 経済解析室で作成・公表しています第3次産業活動指数と鉱工業生産指数を加重平均することで、産業の8割以上をカバーする産業活動指標を計算することができます。

 6月のこのサービス・製造業統合指数は97.6、前月比0.4%と2か月ぶりの前月比上昇となりました。

 

 鉱工業生産指数、第3次産業活動指数ともに前月比上昇で、それぞれの寄与は0.2%ポイントと同じでした。6月は、物作り、サービスともに5月の落ち込みからは回復していました。

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 しかし、4-6月期の四半期で見てみると、統合指数は97.6、前期比▲1.1%低下と4四半期ぶりに前期比低下となりました。

 その指数値は、97.6で、増税直後の昨年の第2四半期、夏場に鉱工業生産が停滞した昨年の第3四半期よりは高いものの、今年の第1四半期は言うに及ばず、昨年の第4四半期の指数値をも若干下回りました。

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 結果的に、昨年の第4四半期からは、国内の鉱工業の生産数量、サービスビジネスの活動量の総計が横ばい、足踏みしていたことになります。また、今年1月の高水準の活動レベルからすると、この2月以降5月までの4か月間ほどは、横ばい、足踏みというよりは、瞬間的な盛り上がりからの低下傾向にあったということになります。

 

 一方で、4~6月期の企業業績は好調であり、国内の生産数量、サービス産業の活動量の動きと、一見ずれているように見えます。
 先日、今年上期の経常収支が発表されましたが、それによれば、財やサービスを非居住者に提供した対価の収支差である貿易・サービス収支は、その赤字幅は大分縮小してきてはいますが、1兆3000億円の赤字でした。

 他方、海外からの配当などの所得収支は10兆円以上の黒字となっています。日本企業の好業績の背景の一つには、この所得収支の増加傾向があります(勿論、1-3月期までの輸出が好調だったことの余波もある)。


 日本の製造企業の海外現地法人の活動と国内工場の活動についての指標を再編集して、国内の製造業の活動と海外現地法人の活動を比較できるように加工したグローバル出荷指数を用いて、海外拠点からの出荷比率を計算すると、平成26年平均で28.5%、平成27年第1四半期で29.2%となっており、日本の製造企業のグローバルな出荷のうち、既に3割近くが海外拠点の活動となっています。

 特に、企業業績が好調な輸送機械工業では、この出荷海外比率は45%を超えており、活動の半分は海外拠点によっていることになります。あらためて、企業活動のグローバル化の進展が、企業業績と国内拠点における財・サービスの供給活動の数値の動きとの乖離を生んでいることを実感させられます。

 

 いずれにせよ、好調な4-6月期の企業決算の様相とは異なり、4-6月期のサービス・製造業統合指数は4期ぶりの前期比マイナスで、いささか停滞気味というところです。

◎統合指数資料

 

◎参考図表集

 
◎グローバル出荷指数のデータファイル