経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

日本人の海外旅行サービス需要は低下傾向、一方、国内旅行サービス需要は、今年に入って復調してきている。

 先のエントリーでは、観光関連産業活動指数の中で、好調な推移を見せている「公園、遊園地」や「ホテル」の動きを見てきました。

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 次に旅行業、即ち旅行代理店の取扱高の内訳から、旅行の傾向について見ていきたいと思います。

 旅行業の内訳は、日本人が行う「国内旅行」、「海外旅行」、そして外国からのお客様の依頼を日本国内の旅行代理店が受け付けた「外人旅行」に分けられます。

 なお、この指標は、あくまで旅行代理店サービスを供給している側の活発さの指標であって、旅行代理店を通さない旅行の多寡を直接反映するものではないことに、ご注意ください。

  旅行業の中でも、国内旅行、海外旅行は、平成26年5月から12月までは、ほぼ横ばいで推移していました。好調な推移している「ホテル」や「公園、遊園地」の指数の動きとは少し異なっています。ホテルやテーマパークを利用する方は、旅行代理店を通さない方が多いせいではないかと思われます。

 足元では、今年に入って国内旅行は持ち直してきていますが、海外旅行は逆に今年に入って低下してきており、指数値は70前後となっており、2010年平均の7割程度に落ち込んで気いることが分かります。この辺り、円安の効果が表面化してきていることが確認できます。

 一方、外国からのお客様からの国内旅行代理店に対する依頼である外人旅行は今年に入って急伸しています。下のグラフでは、国内旅行や海外旅行とは同じスケールで描くことができないので、右目盛りになっています。2010年月平均を100とした指数で、200前後ということは、外国のお客様からの依頼取扱高が、5年前の2倍になっているということ意味します。

 

  旅行業の活動量の前月比の推移を見てみます。

 昨年の増税前後の大きな上下動の後、夏場の数ヶ月は旅行業全体も横ばい、内訳3系列の寄与もほとんどないという状態でした。しかし、昨年末から海外旅行のマイナス寄与が顕著となり、今年に入って国内旅行のプラス寄与も確認できるようになっています。

 外人旅行は、指数水準は非常に高いのですが、旅行業全体に占めるウェイトは小さいので、旅行業全体を動かしているとまでは言えません。

 やはり、国内旅行代理店の活動量を支えるのは、日本人の国内旅行ということになっています。

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 日本人の延べ旅行者数の動きをみると、東日本大震災で落ち込んだ旅行者数が平成25年には、平成22年レベルに回復しましたが、翌平成26年には再び落ち込んでしまいました。特に、国内旅行者数の減少幅が大きくなっています。

 ただし、国内旅行者数について、月次で前年同月比を見てみると、平成26年の水準が低かったこともあり、今年に入って前年水準を上回るようになっており、復調の兆しが見え始めています、少なくとも、低下傾向が続いているということはないようです。

 

 旅行業の動きを支えているのが、日本人の国内旅行ですから、日本人の国内旅行者数が増えてくれば、旅行業活動指数も上がってくることが期待できます。

 

◎ミニ経済分析

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini028j.pdf

 

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