経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

堅調な国内旅行と、低下傾向の海外旅行。とはいえ、旅行業の全体は、5月まで上昇傾向にあります。

 最近、外国人旅行者による「消費動向(爆買い)」や「日本人が知らない国内の観光地」などが話題になっています。その背景として、円安進行やビザ要件緩和、消費税免税制度の拡充等の効果による訪日外国人旅行者をお迎えするための環境整備が進んでいることがあることは、ご案内のところかと思います。

 そこで今回は逆に、第3次産業活動指数の中の「日本人の旅行動向」に注目してみたいと思います。

 「旅行業」は、景気動向や所得環境の影響を大きく受けやすい「生活関連サービス業,娯楽業」の系列の1つで、国内主要旅行業者の旅行取扱額を指数化しています。

 第3次産業総合のウエイトを10,000とすると、国内旅行が18.5、海外旅行が14.2等と、総合に占める割合が小さいため、全体に及ぼす影響は大きくありませんが、下のグラフにあるように、東日本大震災や消費税率引上げなどの外的ショックに対して敏感に変動する
という特徴をもっています。

f:id:keizaikaisekiroom:20150715183117p:plain


 更に、日本人の旅行先を国内・海外に分けた推移も見てみたいと思います。
 まず、国内旅行をみると、東日本大震災や消費税率引上げ、交通インフラ等に支障を来す程の天災等の外的ショックによって急激に低下しますが、その後の戻りも早いことがわかります。

f:id:keizaikaisekiroom:20150715183452p:plain

 記憶が新しいところでは、昨年2月、週末2度の大雪で各地の交通網が寸断し、旅行先に行けない、あるいは旅行先から帰宅できないというニュースが流れましたが、翌月下旬には気温上昇とともに各地で桜が開花し、行楽地は花見を楽しむ人々で大いに賑わいました。
 一方、海外旅行をみると、国内旅行に影響を与えた先ほどのような外的ショックによる影響は少なく、むしろ為替の状況(円安が進行すると海外旅行を控える)といった要因に左右されていることが見て取れます。


 最近の日本人旅行は海外旅行が低迷する一方で国内旅行が好調となっています。旅行先を海外から国内にシフトしているという報道もあり、行き先は条件に合わせて変更しつつも、生活を楽しむための旅行・観光サービスへの需要には根強いものがあるようです。

 

最新結果の概要|第3次産業活動指数|経済産業省

 

◎最新5月分の第3次産業活動指数図表集

 

◎データ冊子

 

◎ポイント資料

 

◎3次指数の冊子の見方/使い方