経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

5月の鉱工業生産・出荷低下の主因は輸送機械工業だが、電子部品・デバイス工業の低下にも目がいってしまいます

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 5月の鉱工業生産の業種別の動向を見てみます。

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 5月の生産では、15業種のうち、低下業種12業種、上昇業種3業種となっています。
 生産低下の主因は、寄与1位の輸送機械工業で、5月の鉱工業生産の低下のほぼ半分を説明しています。5月の普通車の販売も、4月との比較で今一つ伸びておらず、普通乗用車の生産抑制が鮮明になってきています。出荷を下押ししているのも、輸送機械工業、普通乗用車でした。5月のアメリカ向け輸出はそこそこでしたが、全体的には今一つで、特にアメリカ向けに次ぐシェアの欧州向けが大分悪くなっています。

 化学工業については、年度変わりにおける設備廃棄や定期修理の影響が基礎化学品で出ているほか、4月に生産や出荷を大きく引き上げた化粧水やファンデーションについて多少反動減が出ているようです。

 電子部品・デバイス工業に関連しては、スマホ需要の鈍化で台湾の5月の鉱工業生産が低下したといった報道もあります。中国の鉱工業生産でも5月の携帯電話の指数は前年同月比8.0%低下とされています。スマホ向けの電子部品の需要が少し停滞しているものと思われます。このため、電子部品類の輸出も5月は4月に比較して今一つです。こいったことの影響か、5月の電子部品・デバイス工業の生産も前月比低下となっています。

 

 出荷については、15業種のうち、低下業種13業種、上昇業種2業種となっています。
 出荷低下の主因は、やはり2か月連続の低下となっている輸送機械工業なのですが、その中でも、船舶や鉄道車両などを除いた自動車関連中心の分類で計算すると、5月の出荷の低下の70%以上を説明してしまいます。

 そのため財別分類でみても、乗用車の占める割合の大きい耐久消費財出荷の低下が目立ちます。

 

 確かに、「はん用・生産用・業務用機械工業」や化学工業の出荷の低下の影響もありますが、低下業種が15業種のうち13業種とほとんどを占める中で、自動車関連の寄与の大きさが非常に目立ちます。

 先月5月の予測調査で輸送機械工業の5月見込みは、前月比6.2%の低下予測となっていましたが、5月実績でも前月比5.4%低下となり、ほぼ予測通りの低下となりました。輸送機械工業の出荷についても、指数値はここ一年の中で飛び抜けて低い値となっており、前年同月比も9%の低下です。
 4月は軽乗用車の出荷の落ち込みが大きかったのですが、5月については、普通乗用車の出荷の落ち込みが大きくなっています。軽乗用車や小型乗用車の出荷も、それぞれ前月比マイナスなので、乗用車については、全般的に出荷が悪い状況となっています。このように生産出荷ともに、輸送機械工業の低迷の影響が大きくなっています。

 

 また、春節の影響で2月に生産が一時的に低下するということはありましたが、昨年の8月以降高い生産出荷の水準を維持していた電子部品・デバイス工業の生産が大きめの低下を見せているのも5月の特徴です。

 

◎ポイント資料

 
◎データ冊子

 
◎参考図表集

 
英語版図表集

 
◎マンガ鉱工業指数