経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

BtoBサービスの堅調さが、個人向けサービスを引き上げてくれるタイミングが課題ではあるが、観光関連サービスは好調。

 第3次産業活動指数は、その提供されるサービスが主として個人向けの事業、主として企業・事業所向けの事業とに大きく二つに分けて、「広義対個人サービス」「広義対事業所サービス」ごとに活動量の変化を見ることができるようにしています(この「広義」というのは、分類上「サービス業」がありますが、その「サービス業」のカバーする狭い範囲のサービス以外の第3次産業全体をカバーしていることを表します)。

 

 対事業所サービスと対個人サービスそれぞれの前期比を見てみると、対事業所サービスは前期比0.8%上昇、対個人サービスは前期比0.6%上昇で、ともに3期連続で上昇でした。

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 水準としては、10年前の平成17年(基準年)と比較して、対個人サービスは基準年の100の水準を恒常的に超えていますが、対事業所サービスは逆に恒常的に100を下回っており、昨年の第1四半期ですら100を超えませんでした。この対事業所サービスの水準が低くなっている主因は、卸売業が大きく低下しているためです。

 さて近時の動きをみると、昨年の第2四半期以降の第3次産業活動の活動量全体を上に引き上げていたのは、対事業所サービスで、対事業所サービスは、昨年の5月から今年の2月まで前月比で上昇していました。BtoBのサービス取引がサービスビジネスの増税後の回復の先導役だったようで、この傾向は今年の第1四半期でも続いています。

 企業業績や株価は好調なのに、個人の生活には回復の実感がないといった話がありますが、対事業所向けサービス(昨年の第2四半期と比較すると、今年第1四半期は2.6%増加)と対個人サービス(昨年の第2四半期と比較すると1.6%増加)のこういった動きの違いも背景にあるのかもしれません。

 

 個人サービスの中では、生活必需的性格の強い「非選択的個人向けサービス」が、昨年の第2四半期の低いレベルから、今年の第1四半期は2.2%増加で、所得環境などに敏感に反応すると思われる「し好的個人向けサービス」では、1.0%増加に留まり、やはり「まずは必要なものから」回復しているという感じです。ただ、観光関連産業の活動量は、昨年の増税直後との比較でプラスの2.4%増加となっており、個人向けサービス全体よりも増加幅が大きくなっています。

 個人サービスを大きく引き下げているのが小売業であることもあわせて考えると、モノへの需要回復は今一歩ですが、経験財的なサービス分野の個人の需要は着実に回復しているのかもしれません。

 

◎四半期ベースの経済指標スライド

 

◎第3次産業活動指数3月分データ冊子