経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

稼働率も生産能力も2期連続で前期比上昇、平成17年第1四半期のような「転換点」となったのかどうかは、今後の能力増強投資の動向次第

 平成27年第1四半期の生産能力指数は、95.5で前期末比0.2%上昇と2期連続の上昇となりました。昨年第3四半期も前期末比横ばいでしたので、この3四半期間、生産能力は維持・拡大傾向にあります。これまでの生産能力は、稼働率の上下動はあっても、平成23年(2011年)から、ほぼ指数値を低下させてきた動きからは、異なる動きが出てきているように見えます。

 

 稼働率指数は101.7で、前期比1.0%上昇と、こちらも2期連続上昇となりました。この稼働率の水準は、リーマンショックにより平成20年に急落し、平成21年に回復をしていますが、その平成21年以降の四半期では、3番目の高さです(1番目は昨年の第1四半期、2番目は平成24年第1四半期で景気の山の直前に当たります)。

 

 稼働率の変動を横軸に、生産能力の変動を縦軸において散布図を描くと、逆三角形のような形になります。やはり、稼働率が高くなって、生産余力がなくなると、生産能力を増強する投資が盛んとなります。そして、景気が山となって下降局面になると、稼働率が低下し、遅れて生産能力の削減が始まります。

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 平成14年からでは、現在は3回目の景気循環に入っています。平成14年第1四半期から景気拡大局面が始まり、しばらくは、稼働率は上昇していきますが、設備過剰感から生産能力の削減が続いています。

 そして、稼働率が110を超えた平成17年からは生産能力が一気に上昇し始めます。

 平成20年第1四半期には、その前年のサブプライムローン問題などから景気のピークとなり、一気に稼働率が低下しました。その後は、稼働率景気変動(や地震)にあわせて左右に変動しますが、生産能力はほぼ低下基調で昨年の第2四半期まで来ました。

 そして、昨年の第4四半期から、2期連続で稼働率も生産能力も上昇している状態になります。これが、平成17年の第1四半期のような「転換点」を示すものなのかどうか、今後の動きを見ていく必要が高いと思います。

 

◎四半期ベースの経済指標スライド

 
◎生産能力・稼働率指数3月までのデータ冊子