経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

特殊要因によって増加している土木建設機械の在庫増加にもよるが、在庫削減の方向性が見えてこなかった今年の第1四半期末の鉱工業在庫

 平成27年1~3月期は、前期末比1.0%と5期連続の上昇となっています。昨年の増税後の1年間、四半期で見ると前期末比で在庫水準は上昇し続けています。
 用途別の分類である財別分類でみると、今年の第1四半期の在庫変動では、資本財の在庫上昇が顕著です。

 
 この1年間、4四半期間の在庫変動の状況では、どの四半期でも財分類の在庫はあまり低下することはなく、上昇幅が変動しているという特徴をみることができます。つまり、どの需要分野の在庫も上昇する傾向にあったということであり、需要が全般的に落ち込んでおり、にもかかわらずどの財分類の生産も出荷見合いよりは多くなっていたということになります。
 しかし、今年の第1四半期になると、前期末比で在庫が上昇した財分類が、資本財だけとなり、他の財分類では在庫を低下させています。資本財は、(内外の)生産設備や業務機械として利用される企業が需要する財ですが、その資本財の在庫が上昇していることから、業種別にみると、「はん用・生産用・業務用機械工業」の在庫などが、在庫上昇の主因となっています。
 ただし、今年の第1四半期の在庫を上昇させている資本財、「はん用・生産用・業務用機械工業」については、特殊事情があります。規制の適用(いわゆるオフロード規制、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」)によって生産できなる建設機械類について、規制前の「作りだめ」が起きています。このため、「はん用・生産用・業務用機械工業」の土木建設機械の在庫が、今年に入って急増しています。これを除くと、鉱工業の在庫は前期末比マイナスとなります。
 規制変更前の「作りだめ」ですので、この土木建設機械の在庫はいずれ解消されるものと思われます(ただ逆に言えば、その分が鉱工業生産をかさ上げしていることになるので、この分もいずれ剥落するということ)。

 

 在庫循環をみると、鉱工業の27年1~3月期は、引き続き「在庫積み上がり局面」にありました。昨年の第4四半期の位置からほとんど動いておらず、在庫の削減がそれほど進まない割に、生産は「抑制」されていない状態です。f:id:keizaikaisekiroom:20150607133151p:plain

 在庫調整が進まないと生産増加への「重し」がとれない状態が続きますし、とはいえ、急激な生産低下は、製造業の活動を支える対事業所サービスの活動低下も招来し、産業活動全般を強く下押ししてしまいます。早めに出荷全体が回復して、この「こちらを立てれば、あちらが立たず」という状態から抜け出られることを期待したいところです。

 

◎四半期ベースの経済指標スライド

 
◎鉱工業指数3月までのデータ冊子