経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

非耐久消費財出荷は好調だが、耐久消費財の出荷は、増税時の4月の水準を割り込んでいる

 平成27年4月の用途別の製品出荷の状況を見てみます。ちなみに、製品を用途別に分類したものを、財別分類と称しています。

 
 (国内外の)設備投資に供される資本財、建設投資に用いられる建設財、企業活動の原材料や燃料として利用される生産財といった、事業活動に利用される財の出荷は、どれも4月は前月比上昇となっています。
 投資的な活動に投入される資本財は前月比3.2%上昇、建設財は前月比5.7%上昇と、2月、3月の余り良くない状態から回復しました。
 
 他方、家計が需要する消費財については、明暗が分かれました。
 非耐久消費財は、合成洗剤や美容液などの出荷が好調で前月比3.1%上昇です。
 確かに、4月のドラッグストアの販売統計ではビューティーケア商品の前年同月比上昇幅が高く、ドラッグストアの4月の販売額をけん引しています。
 同様に、4月のホームセンターの販売統計をみると、合成洗剤などを含む家庭用品・日用品の販売額が昨年と比べて大きく伸びています。
 身の回りをきれいにするための消費への支出は回復しているものと思われます(3月の生活関連サービス、娯楽業は、前月比1.4%上昇)。
◎ドラッグストア販売額の消費カテゴリー別の昨年同月からの変化率

f:id:keizaikaisekiroom:20150604053743p:plain

 

◎ホームセンター販売額の商品分類別の昨年同月か

f:id:keizaikaisekiroom:20150604053853p:plain

 

 耐久消費財のメーカー出荷は全く状況が異なります。

 平成27年4月の耐久消費財のメーカー出荷は、前月比マイナス6.9%低下と、増税後の毎月のレベルの比較で下から2番目に低いレベルになっています(耐久消費財のメーカー出荷のレベルが最も低かったのは、昨年の11月)。

 耐久消費財出荷については、さらに用途別の内訳のデータがありますので、そのデータを昨年の4月のレベルを100として、時計回りに描いたのが、下の図です。

f:id:keizaikaisekiroom:20150604054438p:plain

 これをみると、耐久消費財の出荷は、増税後の1年間、結局昨年の4月の出荷レベルを上回ることはありませんでした。
 細かい内訳でみても、昨年4月の出荷レベルを上回ったのは、「家具・装備用品」の5月と「家事用」の9月だけです(昨年の9月の家事用の耐久消費財出荷が極端に増加していますが、これは太陽電池モジュールの出荷が9月に急増したことによります)。

 耐久消費財出荷の落ち込みが特に大きいのが、太陽電池モジュールや冷蔵庫などの「家事用」、エアコンなどの「冷暖房用」で、今年に入って急低下しています。

 さらに、テレビや携帯電話といった「教養・娯楽用」の出荷レベルは、昨年4月の出荷レベルから恒常的に1割以上低下しています。

 結局、この3内訳は今年の4月の出荷は、昨年4月の8割のレベルに落ち込んでいます。

 

 他方、軽乗用車の不振が言われる「乗用車・二輪車」については、改めて増税前後のメーカー出荷の動きをみてみると、少し意外な結果となります。

 他の耐久消費財の内訳分類の動きに比べると、「乗用車、二輪車」のメーカー出荷については、そもそも増税前の「駆け込み」自体が低いものでした。そのせいもあり、増税後の4月の出荷水準を1割以上は下回ることなく、この1年間推移しています。

 今年4月の出荷水準も、昨年4月の水準の90%を上回っており、このおかげで耐久消費財出荷の大きな下落が避けられている状態です。

 

◎ポイント資料

 

◎データ冊子

 

◎図表集

 

◎図表集英語版