経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

日本全体の鉱工業生産は3月前月比マイナスであったが、3月の被災地域の鉱工業生産は前月比7.7%と大幅上昇

 平成27年3月の日本全体の鉱工業生産指数は、前月比マイナス0.8%の低下でした。

 一方、同月の被災地域の鉱工業生産は、前月比プラス7.7%と大きく上昇しました。生産水準を示す指数値も104.0と高水準となります。

 昨年3月の駆け込み需要期の108.1を除いて、平成24年度からの最近の3年度では、2番目に高い水準となりました。大地震直前の平成23年の1月の指数値が102.4、2月の指数値が103.5ですので、今年の3月は文字通り震災前の水準に到達したことになります。

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 他方、被災地域より狭い津波浸水地域の鉱工業生産額では、今年の3月も震災の前年である平成22年同月比マイナス11%と、震災前水準に到達していない状態です。昨年の夏場6月や7月は基準年より高い生産額になっていました(基準年の6,7月が前年同月比マイナスで生産額が少なかった影響が大きい)が、なかなか震災前に戻れない状況が伺えます。

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 先に公表された平成25年の工業統計調査の集計結果を用いて、特に甚大な被害をうけられた被災3県(岩手、宮城、福島)の平成25年の工業の状況を見ることができます。
 事業所数をみると、宮城、福島は震災後、平成24年、平成25年と回復傾向にありますが、岩手は平成24年には増加したものの、平成25年には事業所数が減少してしまいました。
 製造品出荷額等をみると、岩手と宮城では平成25年には震災前の平成22年を上回っています。福島の製造品出荷額等は、平成25年は前年を上回ってはいますが、平成22年に若干及んでいません。
 付加価値額でみると、被災三県ともに平成24年、平成25年と回復傾向にあるものの、平成22年の値には戻っていないようです。

注:「工業統計調査 平成25年確報 産業編 東日本大震災による被災地域の状況(従業者10人以上の事業所)」より(下記ファイルの30ページ)
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kougyo/result-2/h25/kakuho/sangyo/pdf/h25-k3-gaikyo-j.pdf

 

 工業統計からは、被災三県の事業所数や出荷額、付加価値額が平成24年、平成25年と着実に回復してきている様相が伺えます。そういった状況の下で、平成27年3月の被災地域の鉱工業生産指数が震災直前の指数レベルに回復してきているということになります。