経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

公共事業から住宅建築へのバトンタッチにより、5か月ぶりに前月比上昇となった3月の建設業活動指数

 本年3月の建設業活動指数は、指数値83.0、前月比1.1%上昇と5か月ぶりに前月比上昇となりました。
 建設業活動指数は、昨年11月から4か月連続の前月比低下となっていました。
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 民間の建設活動の全体を表す「民間・建築・土木活動指数(民間指数)」は、昨年1年間を通じて前月比マイナスで推移していましたが、年明け1月からは、 前月比プラスに転じていますし、その前月比上昇幅が拡大しています。他方、公共の建設活動を表す「公共・建築・土木活動指数」は、昨年5月から10月まで は前月比プラスでしたが、11月から前月比マイナス基調に変化しています。
 つまり、建設業活動指数が昨年11月から今年2月まで前月比低下となった主因は、公共事業が低下していったことになり、今年に入っての民間指数の回復の勢いがそれを補えなかったということが補足的な要因ということになります。

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 2月の建設業活動指数については、「年度末に向けて、公共事業の大きな反転はないものと思われますが、公共事業から民間建設投資へのバトンタッチが垣間 見えた2月の建設業活動指数となりました。」という評価をしておりましたが、3月は住宅建築の指数が前月比2.5%上昇と3か月連続の上昇となり、四半期 単位でみても、今年の1-3月期は前期比1.6%上昇と5期ぶり(一昨の10-12月期以来)の前期比上昇となりました。
 建設業活動指数全体では、公共事業が落ち込んでいるので前期比マイナス1.2%低下とはなりましたが、昨年のように年度明け5月以降、今年度分の公共事業の発注が進めば、住宅建築の上昇と相まって、全体を押し上げてくれることを期待することができます。

 また、報道では、4月の家電量販店の白物家電等の販売は少し改善してきているそうですが、新しい住宅ができれば新しい家電製品も必要になるでしょうか ら、住宅建築の活発化は、3月の出荷において少し回復の兆しの見えた耐久消費財出荷の先行きについても期待を抱かせる動きと言えるかと思います。

 この建設業活動指数と、既に公表している鉱工業生産指数、第3次産業活動指数などを加重平均した全産業活動指数の3月分も計算しています。
 平成27年3月の全産業活動指数は、指数値96.6、前月比マイナス1.3%の低下となりました。全産業活動指数が前月比マイナスとなるのは、昨年6月 以来の9か月ぶりです(昨年7月は前月比横ばい)。建設業活動指数が前月比プラスとはいえ、鉱工業生産、第3次産業とともに3月は前月比マイナスですの で、産業全体としての一服ということかもしれません。
 四半期でみると、今年の1-3月期の全産業活動指数は、前期比0.3%上昇で、これで3期連続の前期比プラスということになります。
 今年の1月鉱工業生産は異例に好調でしたし、2月まで第3次産業活動も10か月連続前月比プラスとなっていましたので、建設業活動指数は1月と2月は前 月比マイナスで、水準も決して高くはありませんでしたが、四半期では、その低下を鉱工業とサービスが十分補っており、前期比プラスと堅調な推移となりまし た。