経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

日本全体の消費活動のうち、4割は高齢者世帯によるものとなっています

 近年、高齢化が進展する中で、世帯主が60歳以上の世帯(以下「高齢者世帯」)の消費の割合は一層増加していくことが当然予想されます。そこで、高齢者世帯の消費が日本経済に対して持っているインパクトを、消費データと産業連関表を用いて定量的に試算をしてみました。

 具体的には、平成27年4月現在で、最新である平成21年全国消費実態調査と、平成23年延長産業連関表(経済解析室作成)を用いて、定量的なインパクトを試算して資料にしています。

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini017j.pdf


 まず、高齢世帯消費の規模感です。
 試算してみると、まず贈与金等を除いた高齢者世帯の消費額は約106兆円となりました(最新の平成21年全国消費実態調査結果を用いた試算)。
 この高齢世帯消費を、平成23年国内総生産の民間最終消費支出約284兆円と比較すると、約4割に相当することになります。

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 高齢者世帯の消費支出約106兆円を、GDPの他の需要項目と比較すると、実物投資(総資本形成)約95兆円と同規模の水準となっていることも分かりました。経済のエンジンといわれる企業の投資活動と同規模の影響力を持っていると解釈することもできます。

 

 産業連関表を用いて、経済全体への波及効果も試算してみました。

 この約106兆円の高齢者世帯消費は、直接・間接的に約174兆円の生産額(仕事量)を生み出している計算になります。直接の消費額106兆円を上回る間接効果約70兆円が、産業連関表を用いて生産波及効果を計算したものになります。


 この合計174兆円は平成23年の国内生産額約852兆円の約2割に相当します。

 同じく高齢者世帯消費によって生み出された生産額のうち、付加価値(所得)分は、約80兆円で、国内総生産約471兆円の約2割を占めています。

 大胆に言い換えれば、日本の仕事、そしてそこから生まれる給与を生み出す「需要者」「お客様」は、高齢世帯ということになります。

 
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