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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

昨年の消費増税後の推移では、1997年の消費増税時に比較して、耐久消費財の落ち込み度合いが大きい

 前回の消費増税時である1997年と昨年の鉱工業出荷の推移を比較してみます。

 それぞれの増税前(前年)の年間平均を100とした鉱工業出荷指数で、前回(平成8~9年)と今回(平成25~26年)の推移を見ると、今回は増税開始月(4月)から低下幅が大きく、前回より出荷の落ち込みが激しいことがわかります。

 
 この出荷の落ち込みが、「国内向け」と「輸出向け」のどちらの出荷によるものなのか、要因分解してみました。すると、昨年の「輸出向け」出荷は、円安が進行していたにもかかわらず、平成26年を通じて出荷全体を押し下げていたことがわかります。「国内向け」出荷も、増税後の平成26年5月~8月までは前回の出荷の動きからの下方への乖離を広げる方向にありましたが、9月以降は徐々にその乖離幅を縮小させています。
 ここから、前回の増税時に比較して、輸出が出荷の低迷を補えなかったことが、昨年の増税の影響による出荷低下が大きくなってしまった要因の一つに挙げられるとうことが分かります。
 

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 さらに、前回増税時と比較して、国内向け出荷の落ち込みが大きかった背景には、“耐久消費財”の出荷が弱かったことも挙げることができます。
 もっとも、平成26年10月以降は、“資本財”や“非耐久消費財”の出荷が回復し、国内出荷全体も盛り返し始めていることも分かります。ただ、やはり耐久消費財の動きは1年を通じ鈍いままでした。

 
  “耐久消費財”の国内向け出荷の推移を前回と比較すると、増税後の下降トレンドは前回より大きく、勢いも昨年末までその下降の勢いは止まらないままでした。その内訳では、テレビなどの「教養・娯楽用」のほか、「乗用車・二輪車」の出荷が低迷していました。平成26年9月以降は、「乗用車・二輪車」の下方乖離が縮小しているものの、依然として「教養・娯楽用」の下方乖離が大きく、前年水準(25年水準)を下回っていました。