経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年3月の鉱工業生産は、「緩やかな持ち直しの動き」

 3月の鉱工業生産は2か月連続の前月比低下とはなりましたが、その低下幅は、1、2月の変動の大きさからすると、ほぼ横ばいといっても良いレベルかと思います。

 特徴的なのは、例年3月に年度末要因や季節要因などで生産・出荷が増加する品目の生産が、今年の3月それほど伸びていないことです。3月の生産低下業種である金属製品工業の橋りょうや電気機械工業の開閉制御装置については、年度末に生産・出荷が集中する傾向にありますが、昨年中たびたび生産上昇寄品目として紹介してきました。エアコンは本来生産増加期なのですが、在庫が余りに高いので生産が抑制されているということになります。

 昨年中のこれら品目の生産が順調だったから、年度末要因などで生産増加するはずのこれらの品目の生産が抑制されてしまったということになります。ということであれば、多少生産の前倒しがあったということに留まり、3月の生産が全体的に悪いということにはならないと思います。

 昨年後半の鉱工業生産の回復を先導した輸送機械工業、「はん用・生産用・業務用機械工業」、電子部品・デバイス工業といった好調3業種が、揃って2月の生産低下から3月生産上昇に変わっていることからも、3月の生産が悪いわけではないことは伺えます。

 今年の1-3月期は2期連続の前期比上昇で、その前期比上昇幅も昨年第4四半期の0.8%から、1.7%上昇と伸び幅を拡大させています。また、(後方)3か月移動平均も3月は微増となっています。

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 よって、持ち直しの傾向は続いていると評価し、基調判断は「緩やかな持ち直しの動き」ということで維持したいと思います。

 

 4月の予測調査の先行きについては、3月実績が3月見込みを上回った上で、4月は前月比2.1%上昇となりますが、5月は▲0.3%低下と予測されています。

 4月の上昇は海外からの発注や国内の大口案件による「はん用・生産用・業務用機械工業」や電気機械工業の生産増加によるものです。他方、5月の低下は、輸送機械工業の大幅な生産調整によるものです。

 

 とはいえ、輸送機械工業の生産計画の2か月連続の低下にもかかわらず、4月の見込みは上昇、5月の予測の低下幅が小幅にとどまっているのは、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、電気機械工業の電気・電子工業3業種が2か月連続で増産を予定しているからです。

 電気・電子工業の好調さが持続されている間に、是非とも輸送機械工業の在庫調整に目処がついて欲しいところです。

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◎ポイント資料

 

◎参考図表集

 

◎データ公表冊子