経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

3月は、普通乗用車が調子のよい輸送機械工業や通信事業者の設備投資需要に押し上げられた情報通信機械工業、「好調」2業種が、生産を増加させていた。

 平成27年3月の鉱工業生産では、全体が前月比微減ではありますが、輸送機械工業、情報通信機械工業、「はん用・生産用・業務用機械工業」、電子部品・デバイス工業、パルプ・紙・紙加工品工業の5業種が、前月比生産上昇業種です。

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 輸送機械工業、「はん用・生産用・業務用機械工業」、電子部品・デバイス工業は、1月に大きく伸び、2月は低下となり、3月に再び生産増加に転じるという状態です。

 輸送機械工業については、普通乗用車、普通トラックの生産が好調で、国内販売も輸出も前月との比較では好調です。軽乗用車については、販売台数や出荷は3月良くなっているので、生産を抑制して、在庫を減らしている状況です。他方、小型乗用車は生産を減らしているはいるのですが、国内販売は普通車や軽乗用車に比べると悪くなっています。そのため、小型乗用車の在庫が3月も増えてしまっています。

 情報通信機械工業については、デジタル伝送装置、固定通信装置といった通信事業者の設備投資に利用される資本財の生産・出荷が順調となっています。2月分の機械受注統計においても、季節調整値で通信業からの受注が前月比32.7%増加となっており(非製造業の前月比▲16.4%減)、国内通信事業者の設備投資が活発であったことが分かります。

 「はん用・生産用・業務用機械工業」では、化学プラント、石化プラントで使用される反応用機器が国内の定期修理工場向けに出ているほか、水管ボイラや一般用蒸気タービンなど発電施設向けの設備が生産されています。業種として低下となっている電気機械工業の一般用タービン発電機は3月生産増となっており、発電関係設備の設備投資も活発で、機械受注においても2月の電力業からの発注は、前月比76.7%増加となっていました。また、この業種においては、全体的には2月の生産低下品目が、そのまま3月の生産上昇品目となっています。

 電子部品・デバイス工業については、引き付きスマートフォン向け生産がけん引役ではりますが、出荷は低下となっています。電子部品・デバイス工業の在庫循環は、「在庫積み増し局面」となっており、作り貯めている状態です。

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 3月においては、2月に低下したはん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業という昨年後半の鉱工業生産の回復を先導した「好調」2業種や、年末に下げ止まり年明け普通乗用車の生産を回復させた輸送機械工業が、生産増に転じ、あわせて情報通信機械工業においては、通信事業者の設備投資需要によって生産が押し上げられているということになります。

 なお、情報通信機械工業においては、3月の生産上昇への寄与は小さいのですが、企業向けの汎用コンピュータやミッドレンジコンピュータ、外部記憶装置の生産が前月比も前年同月比も上昇しています。民生用電子機器の国内生産が激減していることもあわせて見ると、情報通信機械工業においても、民生用品から投資財的なものへのシフトが生じているのかもしれません。

  

◎ポイント資料

 

◎参考図表集

 

◎データ公表冊子